【オルクセン王国史】大空羽ばたく橙色の翼【ネタ】

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相変わらずオルクセン王国史の世界で遊んでます。

いくつかツッコミを頂きました。ありがとうございます。

地雷女笑ったけど、迫撃砲とかロケットじゃアカンの?

アカンくないです。迫撃砲(mortar)、特にストークス・モーター型の迫撃砲は簡便な火力投射手段としてとても優れてます。

溜弾(擲弾?)を投げたい→もっと大威力の溜弾を遠くに投げたい→溜弾が大きく重くなると投げるのが難しい→専用の投射兵器が出てくるのは必然(ヒト型骨格最大のメリットがこの投擲動作の優位性であり云々)

ただ、未だ800mだ1000mだの距離で撃ちあうことがメインの時代に、ストークス迫撃砲はちょっと射程短いかな、と。そして砲口と操作員が近い迫撃砲は、推進薬が無煙火薬化され、大砲がもう少しクリーンになってからじゃないと使いにくそうな気がする。

迫撃砲ランチャーおもちゃセット [AA]

臼砲と迫撃砲の露骨な砲身厚の違いは、材料強度および発射薬の違いに起因する→後述する燃焼速度の問題を解決してからでないと迫撃砲にならなそう(ミーネンヴェルファー...:^^;)

トランペッター 1/35 ドイツ軍 カール重自走臼砲 後期型 鉄道運搬車 [AA]

伏せた兵が当たり前になり、更に地面を掘って埋まりこむような時代になればもうどうにかして上から叩くしか無いんですが、未だそこまでは行ってないという認識。

コングリーヴ・ロケットは思いつきませんでした。元はインド(遡ると中国)のネタだし、「ロケットは赤く輝き、爆弾は空で爆発」ですから、アリですね(^_^)

ほとんど狙いがつけられない→数撃ってばらまくしかない→棚状に並べた発射機から大型ロケットをつるべ打ちにする、と(もちろんその発射音はオルガンに似ていて「エルフのオルガン」と呼ばれる:^^;)

ICM 512 135 ソ連 BM-13-16Nカチューシャロケット [AA]

ツィオルコフスキー(仮)やゴダード(仮)と絡めれば面白そうだけど、ちょっと時期が早いか。「個人が携行できる簡易ロケット溜弾砲」は、炸薬量が多く射程が長いぶんライフルグレネード(これも没アイディア)よりも使えそうなんだけど...。

宇宙飛行の父 ツィオルコフスキー: 人類が宇宙へ行くまで [AA]

装甲山車関連

まぁギャグではある(^^;んですが、意外と侮れんのですよ山車。

とりあえず小銃弾の直撃だけ防げればいいと割り切れば、「箱」の重量かなり減らせる。構成要素で一番重いのは動力源(オーク×120=30トン:^^;)ですが、山車には床がなく、彼らは自分の足で自重を支える→面圧は意外と低い。

120名編成→巨大巨大といいますが、居住性を無視してラグビーのスクラムみたいにがっちり組めば、6*20名とか8*15名の集団は「大きめの車両」サイズになんとか収まりそう。

Panzerkampf 1/72 完成品 ドイツ WWI German heavy tank A7V combat grey Camouflage [AA]

そして、ワタシみたいな素人でも自転車乗れば300W≒0.5馬力とか出せる→オークだとその2~3倍出せそう→1.5馬力×120名=180馬力相当になるので、走破性は最悪でしょうが、平地ならA7Vと同等くらいに動けるのではないかな、と(^^;;

エルフ13は可能。ミニットマンを見よ

ワタシも、狙撃って言い出したときにケンタッキーロングライフルのことをまったく考えなかったわけではないんですが...と言い訳(^^;;

高初速小口径弾のメリットについては本稿でも記述する予定で、エルフと狙撃戦法の相性はとても良い→ご本家が狙撃っぽいこと始める気配がなければワタシももうちょっと詰めたと思います。

狙撃兵師団」なんて言葉が「そのまんまの意味」で使われる軍隊を想像するとなかなか楽しそうではある。こんな殺意の高い集団に潜んで待ち受けられたら、空からまるごと焼き払うとか装甲車両持ってくるとかしないとどうにもならなそう...。

コミカライズ版「オルクセン王国史」。

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ネタバレ注意!!
そして本稿はあくまでネタ
→真に受けてはいけない!!!!
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オルクセン王国史で描かれるエルフィンド戦役の時代≒19世紀後半、「隣国に対する強い侵略の意志」の象徴として出てくるのが最新鋭の小銃Gew74。黒色火薬式の金属薬莢弾を使うボルト(遊底)アクション単発小銃です。

Gewehr=小銃なので「74式小銃」と訳せばいーんですかね? 英語式のM1874という記述は見たことなくて、ほぼGew74で統一されている。

センターファイア(コミカライズでようやく確定)薬莢、どうやって作ってるんでしょ? リムファイア薬莢なら深絞りパンチプレスだろうと見当つきますが、センターファイア薬莢は歴史的にいくつか作り方があって、時期的にどれであってもおかしくない→夢が広がる。

対手であるマルティニ小銃が、まさにこの「薬莢の作り方が拙かった」排莢不良エピソード持ちなんですが、Gew74の初期型はどーなのか(構造上、直接薬莢を引き出す遊底式はこの手のトラブルが出にくくはある)

新装版 大英帝国衰亡史 [AA]

コミカライズ版にようやくGew74がはっきり描かれました(^_^)

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尖頭弾...?(^^;;

このGew74、どうやら正式には「エアハルトGew74」と呼ばれてるらしーんですが、このエアハルトが人名なのか施設/団体名なのかすらわからない(^_^;) これ、パウル・モーゼルのもじりなのか...?

国内に二つある、小銃製造能力を有する造兵廠は、年間これを計一二万丁生産できる能力があるとはいえ、未だオルクセン軍全部隊の前世代小銃を更新するには至っていない。

作中の記述を見ると(Gew88みたく)団体製っぽい印象。少なくとも「完成品の銃を私企業から購入している」ではなく、王立(?)造兵廠(のみ?)で作ってるらしい。

標準化というか規格の統一が十分に進んでいれば、一箇所で何もかも製造し組み立てなくても大丈夫=分業が可能→「組み立て工場が2箇所」という意味かもしれない(このネタしつこくやってますが、銃器の量産と標準化は非常に密接で切り離せんのです)

モーゼル系のロッキングラグはボルト前方→ボルトストロークは長め。Gew74の場合、最初から尖頭弾(長い)を前提に設計されており、開口部がでかくないと弾を出し入れできない→↓よりもさらに長いハズ。

Gewehr 71

Gewehr 71 [YouTube]

どうやら(元ネタ通り)ボルトの回転角は90度で、ボルトハンドルは引き金より前→装填操作の移動量は意外と大きく、レバーアクション(=匐射しにくい)鎖栓式のマルティニ小銃になら速射性で勝てるかもしれないけど、あとから出てくるボルトアクションライフルに対しては若干不利。

まぁ単発の時点で、あとから出てくる各種連発銃に対抗できないことはあきらか→この時点で速射性にこだわる意味はあまりない。

弾倉の有無ももちろんあるけど、回転角60度で後ハンドル/ショートストローク、1分に30発とか撃てちゃう(The Mad Minuteな)↑コレらと手数でやり合うのはどう考えても無理筋...(^^;;

「一発狙う間に百発撃ってくるじゃねえか」
(流石に100発は撃ってこない:^^;)

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ただまぁ、当時の英国製ライフルは品質管理がとてもアレ→距離が開くと全然当たらんので有名で、遠距離で精密緻密なモーゼル系ライフルと撃ち合うとエライことになったとか。

モーゼルも操作レイアウトの問題を認識してないわけではなく、前作(というか、世界初のボルトアクション小銃)ドライゼ銃と比べればGew71の操作性は随分改善されてます。後のやつがもっと突き詰めてるだけ。

↓さらに速射性を重視し、「ボルトをひねる」動作を省いたストレートプルボルトのマンリッヒャーM1895

Gew74の安全装置、どうもGew71と同様の「ボルト後端に付いてるぱたぱた式」みたい。実際に絵で見ると、人間と体格差あるけど手の大きさは倍半分もは違わない...?

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Gew74、偉大な我が王に「(皆は知らないが)実はクロモリ製」と言われてますが、バナジウムとか入ってないんかな? 元素としては18世紀から知られてる→ドワーフが合金に添加剤として入れてても、そうおかしくはないのですが。

あと、ニッケルの有無とか熱処理と加工の順序とか、いろいろ気になるところはある。さすがにSCM→SNCM材にまでしてしまうと、当時の刃物では歯が立たず切削加工できないかもしれない→熱処理とか浸炭の仕方が非常に重要。

「確実なクロムの存在」は、オルクセンの開戦動機のひとつ。クロムが潤沢に手に入るようになれば、ステンレス鋼とかハードクロームメッキとか出来ることがどどんと増える→我が王が目の色変えて欲しがるのもしかたない(ただし六価クロムは怖いのでその扱いには細心の注意が必要)

ライフリングはブローチで刻んでるのかな? それともボタンなのか、カッターなのか。ワタシは単なる技術屋で歴史的な経緯に詳しくない→その作り方に至った経緯とか刃物の材質とか形状とか、すげぇ気になる。

銃身に穴をあける際も、回すのはドリルなのか銃身なのか。注油はどこからどのように行い、ドリルの刃形状や材質どうなってるのか、気になります...。

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引き金を引くと撃針が弾薬の雷管を打ち、雷管の雷汞(雷酸水銀Hg(CNO)2)が衝撃で爆轟→生じた高熱が発射薬を燃焼させ、燃焼で生じたガスが銃弾を押し出して銃口から飛び出す...というのが銃器の発射プロセス。

ここで言う発射薬=黒色火薬というのは

・木炭
・硫黄
・硝酸カリウム

の混合物です。

硝酸カリKNO3に熱を加えて300度とかにすると酸素を放出→硫黄と炭素は高酸化雰囲気だと良く燃える→高熱と燃焼ガス(とその他。火薬の燃え方や煙の話は割と面倒くさい)が発生→これらを密閉した箇所で反応させると激しく膨張します。

閉所で起こるこの反応は極めて速やかに進行する「爆発」であり、止まっている銃弾をガスでゆっくり押し出し加速して飛ばすような用途には、正直あまり向いてないのでした。

(極短時間で圧力が上がる→銃弾を押し出す力を上げようと大量の発射薬を用いると筒内圧力がいきなり高くなりすぎ銃身や尾栓が壊れる)

で、オルクセンはこの炭を作る際、完全に炭化させるのを止めました。燃えきってない炭(褐色)は完全炭化炭(真っ黒)に比べて燃えにくい→燃焼速度を遅くすることが出来るのです。

この炭で作った火薬は「褐色火薬」とかSBC(Slow Burning Cocoa)とか呼ばれます。めっちゃ煙出そう(^^;;

圧力の上昇する速度を制御して遅くすることが出来れば、線条に固く食い込んだ銃弾を押し出し、燃焼ガスを銃口側に逃して筒内圧力を下げる動きが間に合う→燃焼で生じたエネルギーが(銃身の破壊ではなく)銃弾の加速に使われるようになる。

まぁ混合火薬では燃え方を制御するにも限界があります。

「あっちからもらった酸素でこっちの可燃物が燃える」→「可燃物が酸素を受けられる」

よう設計する必要があるんですが、素材を一生懸命ふるって粒径を揃えても混ぜものは偏在や空隙のでき方等変数が多く、「こう混ぜてこう詰めればこう燃える」と一律に言い切ることが出来ない。

ワタシ、これまで「Gew74の初速は350m/s」として計算してたんですが、

「この銃身長で、褐色火薬まで導入して撃ってるのにそれは遅すぎ」

とツッコまれてしまいました(^_^;)

オリジナルのGew71でも400m/sを超えてる→それより数値が高くないとアカンと。つまり450~550m/sくらいで計算すべきということらしい。1.5倍も違うのか...。

ステアー M1886 Kropatscheckでは「黒色火薬の8mm弾」が採用され、初速600m/sに達してるとか。

初速を350→800m/sまで上げればエネルギー5倍とか→対人用として過剰となる銃弾の重量を減らせる→弾頭が細くなり、薬莢の首がきゅっとすぼまってくる。

↓のとおり、2乗で効く速度は質量よりもエネルギーに対する寄与が大きい。

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本命は(分子内に必要な要素を揃えてる)無煙火薬なんだけど、

みたいなエピソードが必要で、安定したものを大量に得る難易度が結構高い→たぶんこの形式の銃は隣国から先に出てきて、オルクセンはその後を追従することになる。

物質のニトロ化自体はそう難しくないんですが、出来たニトロなんとかを蛮用に耐えるところまで安定させるのが難しい。トリニトロフェノール=ピクリン酸が今日あまり使われない理由もそのへん。ハリファックス大爆発やばい。

人絹の前にニトロセルロースを衣料品に使ってた時期もあるんですが、火薬の一種(一瞬で燃え尽きるのでフラッシュコットンとか呼ぶ)であるニトロセルロース繊維は当然ムチャクチャ燃えやすく、衣服に引火しての火だるま事故が続出してます。ヤバすぎ。

↑これに使われてるのが史上初の無煙火薬「B(白色)火薬」。無煙火薬に含まれる物質はおおむね炭素・水素・窒素・酸素の化合物で、燃えないミネラルを殆ど含まない→きれいに燃え尽きて、ほぼ煙が出ません。

黒色火薬の「発砲煙」問題は結構深刻で、敵味方でばんばん撃ちあうと戦場が白煙に包まれ何も見えない→戦況把握や戦闘指揮に影響するため、煙もくもく環境でも見わけやすい意匠の軍服をわざわざ作って着せてたくらい。


ルベル小銃は「尖頭弾+センターファイア薬莢+チューブ弾倉」→前にネタにした

「Gew74は(お尻の問題で:^^;)連発化が難しい」

問題を「弾頭の小口径化+薬莢の形状工夫」というトンチみたいな方法(^^;で解決しており、ちょっとおもしろいです。銃弾がきれいな縦一列じゃなく、(弾頭が前の弾丸のお尻の真ん中を突かないよう)若干傾いて並んでいる。

Lebel 1886

Lebel 1886 [YouTube]

B火薬はニトロセルロースを延ばす溶媒としてエタノール+エーテルを使うシングルベース火薬→乾燥に弱い不安定な火薬でアセトンが大量生産されるまでの寿命しか無いのですが、発酵で作れるエタノールと、その脱水縮合で得られるジエチルエーテルは入手性が良く、作りやすいのでした。

ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた! [AA]

アセトンは当時「木タール」=加熱した木材から取っており、あんま沢山作れません。軍の大量使用に耐えるようになるのはヴァイツマンによるバクテリア発酵法(アセトン-ブタノール-エタノール発酵)の確立後。

ヴァイツマンのアプローチは結構ユニークで、もし彼がバクテリア発酵法にたどり着けないルートに入ったらクメン法の確立までアセトンは不足気味→戦備に使われる無煙火薬の量とかに影響が出たかもしれない。

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アセトンを使えば、不安定なニトログリセリンとニトロセルロースにワセリンを混ぜて樹脂状に安定させることができる→有名なコルダイト火薬になります。コルダイトは2種の火薬を混ぜて使うダブルベース火薬。

最初白色火薬と呼ばれた無煙火薬ですが、静電気防止のため導電性の黒鉛を混ぜ込むようになり、再び見た目が黒くなりました。黒化(^_^;)


銃口から放たれた銃弾には、主に2つの力が働きます

・重力
・空気抵抗

スペースコロニーだとコリオリ力が無視できない、というネタはニューロマンサーだったろうか...? ポリスノーツ??)

ニューロマンサー [AA]

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重力は鉛直方向に常に一定、空気抵抗は進行方向と逆向きに速度に応じて、という感じ。斜め上に投射された銃弾は段々減速しながら、常に下向きに引っ張られて飛ぶ→「へ」の字みたいな軌跡を描いて飛びます。

空気抵抗は銃弾の形状に大きく左右され、オルクセンではここに工夫しているという描写がされてました。黒色火薬式小銃の場合、エネルギーと空気抵抗とのせめぎあいの結果各国口径11mmで横並びになってるけど、形状の工夫(spitzer+boat tail)で抗力を減らしてます、と。

後の目で見ると、

「そこ気にするレベルに達してるならもう鉛弾頭を被甲で覆えばいいじゃん?」
(ついでに弾芯に鉄とか入れちゃえばいいじゃん?)

と言いたくなるんですが、弾頭の被甲に関する記述はない→戦役時オークのみなさんが使ってる弾丸は

先端の尖った11x60mmR弾(弾頭はむき出しの鉛)

だと思われ、柔らかい鉛の弾頭先端は背嚢や弾薬嚢の中で揺られ擦られ鈍くなったり曲がったりしてそう(^_^;)

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Gew74の照準器、元ネタGew71と同様の「はしご型照準器」でした。ついたて状のパネルを垂直に起こし、パネルに開いた穴や溝から目標を狙うというやつ。

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オルクセンのGew74では

「あら。立派ね。偉いわ。じゃあ、その小銃の最大照尺、幾つ? それを教えてくれればいい」

「は? はっ、一五〇〇メートルであります」

とされてます→Gew71とは穴に刻印されている数字が違うだけみたい。

初速500m/sで撃つと、距離1500mまで弾丸が届くのに3秒くらい。低落量は60mほどなんで、仰角は2.3度くらい...(この計算合ってる?:^^;)

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なんか実銃の照準器見ると、もうちょっと角度ありそうな...(^^;;


対空射撃となればこの鉄砲を空に向けて撃つわけです。飛行=空中を移動している物体に向けて。

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110km/h(30m/s)で飛行する大鷲が、着弾までの3秒間(と仮定する)で移動する距離は100mほど→単純に直線飛行を続けてくれるとしても結構難しい狙い越しになります。

(エルフ等の種族は視覚に加えて魔力による感知が可能だが、探知機能としてはパッシブで信号強度と方向のみ、距離は作図で、という描写だったと思う→後の時代のアクティブ式レーダーやレーザー測距儀の偉さがよくわかる)

弾丸の飛翔時間が長いので風とかの影響も相当大きく出るハズ。途中経路=上空の風の流れは誰にもわからん→照準時には補正のかけようがなく、勘で撃って命中を祈るしかない。

「撃墜」と判定した統制官さんは部隊単位での一斉射撃=手数を評価したんだと思いますが...。

(↑「統制官」って言われるとこのヒトしか思いつかない。ちなみにcontrollerの訳語なハズ)

実際、後の時代ですが小銃集団の対空一斉射撃にはそれなりの実績もあったりするので、まったく意味がないわけではないと思います。頭数=発射数が多いと面攻撃っぽくなるし、機体側が防御装甲を持たず脆弱ならなおさら。

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黒色火薬銃の集団射撃→地面を覆うような猛烈な砲煙が出て、上空からもはっきり見えるハズ→自分がバンバン撃たれてるとわかってなお漫然と飛ぶのは、それがそうそう命中するものではない(そして演習なので空砲)とわかっていてもなかなか勇気の要る行動だと思う。

上に発射3秒後の銃弾は速度が減少しているけど、初速500m/sの銃弾だとそれでも未だ十分な速度を維持している→殺傷力十分。銃弾が当たるかどうかはともかく、当たれば大変なことになる。

この「大鷲さん撃墜判定」時の水平距離は数百m。地上ならそれなりの距離なんでしょうが、空中だと真上を飛んでる感じになると思う→部隊配置を観察する戦略/戦術偵察なら、もっと離れたところから目を凝らして見る、で解決しそう。

近接航空支援(水平爆撃?)を行うようになると敵の真上を飛ばなければいけなくなる→その場合は「距離を取る」ではなく大鷲さんの「高く飛ぶ」選択が正しいのかもしれない。爆撃照準をどうすればいいか、見当もつかないが(^_^;)

ドイツレベル 1/72 B-17F メンフィスベル [AA]

この後、軍として対空射撃の訓練が始まると困るだろうな。普通に考えると

「曳航する標的を狙って撃つ」

みたいな感じの練習になると思うんですが、狙い越しの難易度を考えると着弾が100m単位でずれる可能性が大いにある→曳航機(大鷲)が危なくて仕方ない(^^;;

ハセガワ 1/72 海上自衛隊 S2F-U トラッカー 標的曳航機 [AA]

キロメートル単位の曳索は現実味がないし、弾道特性が同じ重い弾頭でないと撃つ意味がない=軽量の演習弾みたいのも使えない。大鷲を装甲で覆うのも、主要下部だけならともかく羽根部まですっぽり覆うのは現実的でない。

失敗の科学 [AA]

気球に曳索をつなぎ、更にその先にも曳索をつないで、その先で複数の大鷲が引っ張るみたいな(ティーガー重戦車の回収みたいな)工夫がいりそう。すげぇめんどくさいけど、他に曳航機-標的距離を取る方法を思いつかない。

まぁ未だ19世紀→当面航空戦力を持つのはオルクセンのみであり、本格的な対空戦闘が企図される頃には機関銃とか高射砲が発達してるだろうから、黒色火薬単発銃での対空戦闘訓練について気を揉むのはそれこそ「天が落ちてくるのではないかと心配」の類かもしらん(^_^;)

RP-63みたいな「オレンジ色の装甲大鷲」というイメージ(速水螺旋人氏が上手に描いてくれそう:^^;)はすごく面白いのですが、そもそもこんなのを使っての実践練習が必要とされる状況は

「対空射撃が上手くならないと死」

メンフィス・ベルな想定であって、未だライトフライヤーすら飛んでない(二宮忠八の飛行器でもたぶん間に合わない)状況で考えることではなさそう(^_^;)

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(ここで調べて、初めて「メンフィス・ベル」という映画は2つあったことを知る。最初はドキュメンタリーだったのね...)

メンフィス・ベル [AA]


2巻は6月らしい。

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オルクセン王国史: 野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか (2) [AA]

↑で宣伝されてるコミカライズ漫画版も楽天ブックス:コミック新刊カレンダーで見られるようになったけど...

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・・・・ん? んん??(^^;;

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漫画版のはずなのに、著者野亀せんせ...じゃない野上武志氏の名前が入ってないような...??(^^;;

オルクセン王国史(1) 野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか (ノヴァコミックス) [ 樽見京一郎 ] [RA]