【オルクセン王国史】高貴なエルフの国防戦略【ネタ】
相変わらずオルクセン王国史の世界で遊んでます。
オルクセン王国史 1 [AA]
オルクセン王国は異世界にある架空の国なんですが、とある事情(笑)により物理法則や歴史地理等が我々の知るものに似ていてとっつきがよく、非常に遊びやすい。
なんかオルクセン王国史の書籍、めっちゃ売れてるらしーです。おめでとうございます。
まぁ、ワタシみたいな泡沫ヲタでもこうやって遊べるくらい精緻に作り込まれた「世界」だし、ストーリーは(オーク視点だと)熱くて覗き込むのめっちゃ楽しい→周知されれば当然そーなるやろ、くらいの感想(^_^;)
コミカライズも始まりました。話には聞いてたけど、ほんとに野上武志氏なのね(未だに「しけたみがの」呼びしそうになる「鋼鉄の少女たち」脳。:^^;)
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ネタバレ注意!!
そして本稿はあくまでネタ
→真に受けてはいけない!!!!
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ディネルース達黒エルフが持ってるのはヘンリー銃。火薬が少なく撃ちやすい→彼女がまま片手で構えてるのもさもありなん。エルフィンド軍が装備する、銃剣のついた軍用小銃とは別に彼女らの氏族が独自に調達してる装備っぽい(狩猟用?)
軍用小銃は小説本文の描写からマルティニ小銃と思われるのですが、漫画では未だアップにならず細部がよくわかりません。「ディネルースの銃」と「エルフの軍用銃」が(同じレバーアクション式ながら)別物とはびっくり。そんな描写あったっけ...?
よく手入れされた、レバーアクション式の単発騎銃が一丁。
という描写→ふつーに読むとマルティニカービンなんですが、漫画版ではわざわざ描きわけて装備変えてる→なんかワタシが勘違いしてるのか、それとも意図を持って改変してるのか...。
そしていきなり登場のエンフィールド回転拳銃(ウェブリーかも。見た目が似た鉄砲で、識別に自信が持てない...)
Loading and shooting the Enfield No.2... [YouTube]
ヘンリー銃。ボルトに薬室から薬莢を引き出すエキストラクター&薬莢をはじき飛ばすエジェクターを装備→(銃弾の威力は無いけど)薬莢がばーんと飛んで格好いい。この時代、銃を傾けて薬莢をぽろりするのが基本のような...。
(35がボルト、38がエキストラクター、40がエジェクター)
マルティニ・ヘンリー小銃を撃つところ。
Martini Henry firing [YouTube]
ふむ。マルティニ小銃でも、鎖栓が下がって出来た道を通り、薬莢がぽんと飛び出てる→薬莢が正常に抜ければ、いちいち薬莢を取り除く動作を挟まなくても道が空いて次弾が装填できる感じではあるのか。
(「抜ければ」という条件付であることに注意。直接薬莢を引き抜く&いざとなれば蹴って動かせる遊底式と異なり、戦車砲みたいなブリーチブロックは薬莢を引き抜く方向に動かない→酷暑下等でこの部分がトラブると大変...:^^;)
An attempt to modernise the Martini-H... [YouTube]
ズール戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [AA]
関係ないけど、この「次弾を左手指の間に挟む」持ち方は遥カナ主人公必殺のアレですよな。まぁ手は2本しかない→これしか持ちようがないとも言えますが。
遙か凍土のカナン1 [AA]
とりあえず、エルフの皆さんもいろいろと大変だな、みたいな感想。
ここんとこ、オークに侵略されるエルフの国の防衛について(作者さんを除き)ワタシほど真面目に検討してるやつは他におらんのではないかと思うくらい考えてるんですが、難しいです。
偉大な王の下隣国の征服を企むオークの国=オルクセンはその目的を達成するため国を挙げての富国強兵策を推し進めてるんですが、対するエルフの国、メタくいうと
「オークに蹂躙されるため」
存在しておりまして、戦略的にほぼ詰んでいます(^_^;)
江戸前エルフ(1) [AA]
さらに言えば
「蹂躙して焼き払い、なにもかもリセットしてもらったほうが皆幸せになれる」
煮詰まりきった構造的末期状態(=一方的な侵略に対する心理負担が少なくて済む)でもあるんですが、軍事的に見るとオルクセン軍は短期決戦を実現するため、長大な横腹を晒しつつ長駆侵攻を行う、かなり危ない橋を渡っている→なんとかそのへんを突けないかと考えてしまう。
(しかしあの強烈な漫画版を見たあとだと、この期に及んで白エルフの味方をしようとする→皆から石投げられるんじゃなかろうかとちょっと心配。ひゃっはー汚物は消毒だぁーっ!:^^;)
ミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」 [AA]
とにかくエルフのドクトリンを変えるしか無いんですが、これが難しい。なんでも知ってる大高首相がトップダウンで決めてくれるとかじゃない限りなにかきっかけが居るんですが、エルフはほぼ鎖国状態で、(転生者の大方針により)オルクセン側からもアプローチしないのでなにも起きない。
アルキメデスの大戦(38) [AA]
「オークの国はエルフの国を滅ぼそうと考えている」
と認識するだけで色々変わるんですが、エルフからみると
「凶悪で野蛮なオークがかつて(隣国に)攻め込んできたが、さんざんに打ち破って撃退してやった。自分らは漁夫の利で大儲け」
という(大昔の)成功体験しかなく、彼女らの思想や哲学、行動原理からして、以後のオルクセンを知る手段もその必要性もない→「これ、ヤバイんじゃね? なんとかしないと拙くね?」と思うためのきっかけがない。
成功体験は9割捨てる [AA]
(逆にオーク側は、この「とんでもない敗戦」で上層部の風通しが良くなると同時に偉大な指導者を得て「無茶を通しやすい状況」に恵まれている。そしてこうした「征服戦略」の発案者が最高指導者本人で非常に機密が保ちやすい。かなりずるい:^^;)
エルフ方針転換のためにはどっか(十数年前?)で国境紛争を起こして痛い目を見ておくのが手っ取り早いんだけど、戦役までエルフもオークも内政モードであり、紛争の起きそうな火種が存在しない...。
ポル・ポト〈革命〉史―虐殺と破壊の四年間 [AA]
どこかでベレンコ中尉みたいな事件を起こすのも、エルフ側の認識だとどう受け取るかわからないし、そもそもその時期に「隣国侵略/征服」を知るレベルの高位オルクセン軍関係者が離反して隣国に逃れるとはちょっと思えない。
ハセガワ 1/72 ソ連空軍 ミグ25 フォックスバット [AA]
(↑ネタ的には「黒死鳥(デスバード)4444」にしたいんだけど、どこにリンクしたら良いかわかりませんでした。パニックワールド [AA]に載ってない??:^^;)
奪還者系の事件ならまだ可能性あるかなぁ。ヘルクスハイマー伯爵みたいなよんどころない事情で他国に逃れる、となっても、他にも候補がある中でわざわざ(すっげぇ差別されそうな)エルフの国を選ぶか、そしてエルフ側が正しく認識するか、とても怪しい。
銀河英雄伝説 外伝 奪還者 [AA]
高貴でモンロー(仮名)主義のエルフが、ナポレオン(仮名)戦争のときとかにいっちょ噛みするってのも難しそうだし、他国との紛争ではオークに対する警戒心を高める役に立たなそう...。うーむ。
緒戦押し込まれるのは仕方ない→なんとか奇襲開戦だけでも避けたいのですが、攻撃側は攻撃が成功するタイミングを選んで始められる→「粛々と戦線を整理しつつ後退」と表現できるレベルに収めるのは難しそう。
オルクセンが仕掛けてくる新時代の戦争=火力戦に対抗するには事前に武器、特に銃砲弾を大量に生産し備蓄しておく必要があるんですが、エルフィンドではこれに必要な工業化とかが国是で禁止されております...orz
エルフに外に出る意志がない以上、戦争は必然的にエルフィンド国内で行われる→常に警戒して奇襲や迂回を許さず、決戦を徹底忌避して重防御の火点を備えた野戦陣地に籠もり、適宜後退して補給線を引き伸ばしつつ打撃を与える方針で相当頑張れると思うんですが、マキシムさん(仮名)は何処にいるのやら。
(1897) Sir Hiram Maxim testing his i... [YouTube]
MAXIM B SIDE(マキシム B サイド) 3号 (篠崎愛の写真集 [夢幻] 限定版) [AA]
「散開し、直接砲火に対して身を晒すことを極力避ける」
→とにかく壕を掘り相互距離をとって伏せる、という散兵=「いのちだいじに」方針が初期から徹底されるだけでも防御戦の成功率が違うんですが、これが全軍で行われるためにはどこかで一度血を流し、
「将軍たちにブラッディな選択を採らせない体制」
を強固に確立しておかねばならない。
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち 公式ガイドブック(DS版) [AA]
「戦闘指揮で絶対やらかさない」=ひたすら耐えて出血を強要する方針さえがっちり決まってしまえば、部隊単位でしか通信指揮が行えない混成オーク軍に対し、個人単位ですら通信可能なエルフ軍が戦力運用で優位に立てそうな。
おしん(dアニメストア) [AA]
(通信傍受に対する対策は必要。偽電とかの対策はどーなっとるんかな? 出力絞って聞きにくく云々という話はあったけど、周波数というか魔力の個別識別みたいのが出来てる描写あったっけ?)
縦深防御(弾性防御?)の方針が徹底され、弾薬が十分に備蓄されていれば、内線だし本土防衛している側の補給線のほうが短い→多少火砲性能の差があっても相互支援された陣地をどんどん変換しながら撃てるところから連携して撃つ、みたいな出血戦術が取れる...かも。
オルクセン軍はとにかく兵站が厚く、エルフが自国内で焦土戦をやっても効果が薄い→どこかで補給線の切断を狙うしかない、とは思います。そして半島国が自国防衛のみを考えるなら海軍の編成も変わってくると思うんだけど...。
(と言葉を濁す。本物のヒトと正面からやり合うことを避けるため、もうオルクセン関連では海の話題に入らない。本物のマニアはやばい。手も足も出ない:^^;)
冶金の質そのものはクロムやモリブデンを持つエルフィンド側が基本有利なはずだけど、使い方の理解が足らん&戦争は数→粗鋼生産量とか量の問題になると工業化を忌避する国是が思いっきり足を引っ張る。
スチールバイクフリーク [AA]
鉄で勝てないなら化学で、とチート級エルフ化学者を投入しても、当該国家戦略下で「発明品を大々的に量産し国土防衛に使う」方針になるかどうか。
ピクリン酸やゼリグナイトが早期に手に入っても、それを工業的に生産して戦力化するのはまた別の話だし、武器として使う場合は投射手段も考えなきゃイカン。
ノーベル 未来へのメッセージ [AA]
南北戦争で使われてるし、地雷はいけるかなぁ? 純粋に防御的な兵器(笑)として対人地雷を大量に生産・備蓄しておき、国境線から埋設しつつ後退していけば「破竹の大進撃」みたいな真似は難しくなるよね?(戦後処理はすごく大変:^^;)
地雷を踏んだらサヨウナラ [AA]
地雷設計は底意地の悪さが要求される→個人的な経緯からすごーく捻くれたエルフの姐さんが、紙製の跳躍地雷やら指向性地雷やら遅延爆発やら破砕型の悪質な地雷をいっぱい考えてくれていた→周囲から「地雷女」と呼ばれ(ry
地雷なんですか? 地原さん(1) [AA]
で、地雷原啓開のためマインプラウ牛車...は牛さんが怯えて難しそう→マインプラウ山車を屈強なオーク工兵中隊でよいせよいせと押す、と(^_^;) 想像するとピラミッドの建設現場みたいな絵面になりそう。もしくはベン・ハーのガレー船。
Carlo Savina 映画「ベン・ハー」Ben-H... [YouTube]
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.158 アメリカ陸軍 戦車 M1A1マインプラウ [AA]
阻止射撃から兵員を護るため、四方に鋼鈑を貼った装甲山車=「巨大な鉄の箱」は、味方から「装甲(panzer)」、他国からは「水容器(tank)」と呼ばれたとかなんとか(ぉ
モンモデル 1/35 第一次世界大戦 ドイツA7V戦車 クルップ [AA]
突出し砲火を浴びまくる山車(tank)には防御火器が据え付けられるようになり、対抗策としてtankを狙ったAnti-tank mineやAnti-tank gunが開発され、対人地雷と併用されますます歩兵突撃が難しくなる...って、もしかしてこれ
「機関銃や榴弾砲等の攻撃手段に先駆け防御的な手段が発達する」
→後の戦争に大きな影響を及ぼしたりせんですかね? さすがに待ち受けにしか使えない地雷や鈍重な装甲山車は地味だし、頑健なオーク専用ということであまり注目はされないか(^_^;)
装甲で覆われた相手に野砲や山砲は分が悪い→砲口に被せる大型溜弾(中にぎっちりピクリン酸が詰まってる)を開発し爆発力で勝負→強力に爆発する対tank砲弾=high-explosive anti-tankが命中すると周囲が火の海ですごいことに...。
(ここに海戦ネタが入っていたが、海ネタ禁止の内部ルールに従い抹消)
オルクセンから指導教官を招いたアキツシマ陸軍では火力&装甲重視の動きが起き、早期に装甲トラクタの装備が行われるとか、要塞攻囲に際して皆で担ぐ小型防塁というか装甲銃座みたいのを出し、敵弾を避けつつ壕を漸進する戦術が取られるとか。
二百三高地 [AA]
たぶん化学的アイディアとしてもっとも有益なのは空中窒素固定(大オチに対しても効果が!)だけど、さすがに時期が早すぎる感じなのと、これを工業化し国力化するには周辺技術の広範なレベルアップが欠かせない→1人や2人の天才だけではどーにもならん。
令和の化学者・鷹司耀子の帝都転生 [AA]
What Is The Haber Process | Reactions... [YouTube]
あー。魔族はオカルト系がアリなんだから、魔力を触媒にしてアンモニアを作りますー、みたいなのはアリか? これなら過酷な反応条件や頑丈な耐蝕容器を必要とせず、ラプラスの悪魔というか化学ポテンシャルをいじる話で済む。
(アルヴィン・ミタッシュ涙目:^^;)
大気を変える錬金術 新装版 [AA]
偉大な王(異世界のんびり農家ではない)の居ないエルフィンドで硫酸アンモニウムの重要性がどこまで理解されてるかは謎だけど、黒色火薬を武器とする国で、なんもないところから硝酸カリウムが得られることのありがたみがわからないわけでもあるまい。
KADOKAWA『異世界のんびり農家』第1巻TVCM [YouTube]
化学屋的には硝酸アンモニウムもやばいと思う。
「ああ、含水爆薬ちゅう土木用のがうちの資材置き場にあるで」
「君の名は。」Blu-rayスタンダード・エディション [AA]
オルクセンが苦労する信管で先行するとかも面白そう。「頑固時計職人さんが信頼性の高い信管を作った」と一言言うだけで溜弾の効果が大きく増すし、魔術的素養の高いエルフが魔術的素材で
「発動後任意の秒数で消失する板」
みたいのを作れば、砲弾を任意位置で爆発させられる→曳火射撃が可能になる。
破片飛び散る様子鮮明に 着弾地での取... [YouTube]
この信管は(魔術で作るので:^^;)当然「magic fuse」と呼ばれる...(^^;;
マリアナ沖海戦―母艦搭乗員激闘の記録 [AA]
magic fuse砲弾をテストしたら、むき出しの歩兵や騎兵が如何にヤバいか嫌でもわかる→軍の兵力運用に大きな影響が出るハズ。
戦後は当然magic fuseを機械式時限信管に置き換える競争になるし、そろそろ出てくる駐退機のついた後装速射溜弾砲が時限信管付き溜弾をつるべ打ちするのが当たり前になった戦場でどう戦うか、各国頭を悩ませることになるだろう...。
「砲兵」から見た世界大戦――機動戦は戦いを変えたか [AA]
夜目が効く魔族なら夜戦で、みたいな話になる可能性もあるけど、人間の国ではそうもいかん→弾片と銃弾に埋め尽くされた地獄の空間をどう突破すればいいのか。
装甲山車はオークじゃないと押せない→代わりに防御装甲を押してくれる強力な内燃機関の登場が転換点になるかなぁ。それとも高価な車両が忌避され浸透戦術が先駆けるとか、急速に想定交戦距離が縮まり自動小銃や機関短銃の登場が早まるとか。
大出力蒸気機関は、外燃式で大きく重いのでたぶん車両の形式に収まらない...。
スチームボーイ [Blu-ray] [AA]
「魔力でアシストする長射程狙撃」=エルフ13みたいのも考えてみたんだけど、黒色火薬銃でSBC装薬を用いるGew74の有効射程を上回ることは難しく、さらにどーもご本家が(オルクセン側の戦力補強として)そっち方面に振りそうな雰囲気→没。
ゴルゴ13、52年の時を経て全40作品の配... [YouTube]
ゴルゴ13 [AA]
元々エルフは個々人に無線機とレーダーが付いてるようなもんで、かつても米独立戦争っぽい戦術でオークを打ち破ってる→狙撃戦法と相性が良いんだよね。
「試験管レベルだが白色火薬の生産が可能になり、試作小口径ライフルと弾薬で...」
あぁ、妄想が膨らむ(笑)
Gew74等オルクセン側のネタについては、次回。