SHIMANO FC-RX600-2
「写真見てちょっと気になってたんだけど、おっさんの自転車のペダルのとこ、以前と色とか違ってね?」
「え...? あ、クランクセットね。確かに違う。そういえばその話してないな(^^;;」
はい。ワタシの遠征用ロードバイクFUJI TRANSONIC 2.7完成車は、元々
Oval Concepts 520, forged 6066 arms, 50/34T
というクランクが付いてました。色でいうと、銀色と言うかグレーのギア板が付いてた。
で、過体重のワタシは坂登るのが苦手過ぎ、リアスプロケットに32tを足したりしてたんですが、それでも坂がしんどい→
「リアはもう換えたから、今度はフロント替えてみるか」
と、フロントディレーラーとクランクセットを替えたのです。
(ここ↓ではさりげなくホイールも替わっている。この話は別エントリにて)
記録を見ると20年3月に交換してるので...もう3年前(^_^;) 自分的にはもう替わったほうに慣れちゃってなんとも思ってなかったんだけど、それ以前と比べると確かにクランク周りは別物。
いまは自転車が随分軽くなり、更にギア比が軽くなってるのであまり登るのに苦労しない。
とか言ってるのは10年前に乗ってたBianchi LUPO-Dと比べてなんだけど、2020年以前のFUJI TRANSONIC 2.7と比べてもギア比は違う。
ということで、SHIMANO GRX。
SHIMANO GRXはグラベルライドに最適化された操作性、ギア構成、堅牢な構造、そして静かで信頼感のあるドライブトレインによってグラベル専用コンポーネントという独自のブランド価値を構築しています。
というグラベルロード用のコンポで、その中に11速用の
シマノ GRX グラベル クランクセット 2x11スピード FC-RX600-11
- 様々な地形やライディングスタイルに対応する最適なギアリング
- ロングライディングに対応するワイドなギアレンジ
- 歯数構成: 46-30T
というのがあるんです。
ロードバイク用のクランクセットはコンパクトクランクでPCD110mm→最小でも34tのギアまでしかつかないんですが、このFC-RX600-11はインナーギア取付部をPCD80mmにすることでインナー30tを実現している。
正直パワーメーターのついたクランクにも興味はあったんですが、いままで最小34x32t(1.06)だったギア比が30x32t(0.94)とあこがれのサブ1になる&FC-RX600-11のほうが圧倒的に安価だったのでこっちを買いました(^_^;)
FUJI TRANSONICは圧入式BB(PF30)で、完成車にもともと付いてたオーバルコンセプトのクランクはスラムGXP規格→シマノの24mmホローテック2クランクを使うためにはBBも交換する必要あり。
GXPのクランクは、こんな感じでクランクシャフト先端に段がついてる→BB左右のベアリングが違う。内径測ると...24mmと22.2mmかな?
シマノホローテック2クランクはこんな「シャフトがずどーん」という体で、そのままスプラインを刻んでる。BBのベアリング内径は左右とも24mm。
左クランクと嵌合するスプラインを見比べると、両者は結構形状が異なる。溝の高さも幅も数もぜんぜん違う。こんなに違うのね。
ボトムブラケット(BB)規格 の種類と適合表 [CERAMICSPEED]
オーバルコンセプトのクランクを裏返すと...なんというか、アウターギアの内側に「フロント変速にとても苦労してましたー」という感じの引っかき傷多数(^_^;) 実際、このクランクセットのフロント変速ってあまり褒められたものではなかった。
最近は「圧入式(プレスフィット)」といいつつ多くのBBが(精度と強度を高く出来る)「ネジ嵌合式」になってる→脱着には圧入BB用の工具とねじ式(BSA)BB用の工具が両方とも要ると思う。特にBSA用は左右カップをそれぞれ押さえて回すことになるので1対以上必要。
クランクセットの交換に伴いチェーン位置が変わることが予想されたのでフロントディレーラーも交換。
シマノ GRX フロントディレイラー 2x11スピード FD-RX810-F
- ワイドタイヤクリアランス
- 従来のロード FD と比べチェーンライン +2.5 mm 延長
- 多様なケーブルルーティングに対応
- 新形状リンク構造
- ケーブルアジャスター搭載
この「新形状リンク構造」ってのが難物で、正直最初はどっちからどうワイヤーを引いていいのかわかりませんでした(^_^;)
FUJI TRANSONIC 2.7のフロント変速ケーブルは(一般的な自転車と同様に)ボトムブラケット部から上に伸びてくるわけですが、FD-RX810-F、というかシマノの新型FDはこのケーブルをぐるりと回して横向きに取り付ける構造で、ケーブルがひらがなの「よ」みたいになる(更に樹脂製の蓋で曲げる)
ケーブル固定金具が回転式のアジャスターを兼用してるんだけど、ケーブルを引っ張る方向とケーブル固定金具が緩む方向が同じ→ケーブルだけを手で引くと金具が緩むので、まず金具を動かないように固定してからケーブルを引く必要があります。
一旦固定さえ出来ちゃえば、アジャスターをただ締めるだけでケーブルテンションを掛けられる→テンション調整のためムキになってぐいぐいケーブルを引っ張らなくてもいいのでラク(^_^)
レバー部の動作形式がパンタグラフ式となり、ケーブルのテンションをかける方向(水平)とレバーの動作方向(回転)が異なってるので、
「ケーブルを引っ張ってFDに引っ掛ける」
操作はやりやすくなった。
従来は
「ケーブルを引っ張りながらFDを下に押し込みつつボルトを締める」
(手が3本いる。専用のケーブルひっぱり工具まである。あると便利)
だったのが、
「ケーブルを引いてFDに引っ掛け、金具を押さえつつボルトを締める」
(手が2本)
で済んだ。
FDの変速ワイヤーって、外向きに引っ張っちゃうとかあんまり長く残すとかするとまま
「エンドキャップがふくらはぎにペチペチあたる」
状況が起きるんだけど、ケーブルを水平に曲げた上にキャップが付き、更にZ軸に対してパンタグラフがロールするように動作するんでそうしたことが起こりにくい。
クランクセットとFDをシマノ化すると、フロント変速めっちゃ早くなります。他メーカーだと「がらがらがちゃん」となる前インナー→アウター変速が、シマノクランクだと「ちゃっ」っと上がっちゃう。
Bianchi LUPO-DのクランクをFSA→シマノに替えたときも思ったけど、FUJI TRANSONIC 2.7をオーバルコンセプト→シマノ化したときも結構顕著な差があった。
フロントギアの歯数変更はギア比に対する寄与が大きく、
・平地巡航時にまんなかへんのギアを使いやすい
・10%を超える登攀時にも足に掛かる負荷が低い
という顕著なメリットが出ました。逆の言い方をすると「下りで踏むギアがない」わけですが、ワタシは下りでほぼ踏まないのであまり関係ないみたい(^_^;)