【オルクセン王国史】野蛮なオークの国の軍備とか

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喜んで読んでたオンライン小説「オルクセン王国史」が、昨年末に無事本編完結しました。

オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~

「平和なエルフの国に、オークたちが攻め込んできた」
よく目にする、そんなフレーズ。
では、彼らは一体なぜエルフの国に攻め込むのか。
国を亡ぼすほどの大軍勢を、どうやってその場に送り込んだというのか。
そんな疑問に挑む、ひとつの近代軍事ファンタジー。連載です。

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ネタバレ注意!
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これ、正直あまりにもネタ先行というか

「オークがエルフの国を戦争で下し、焼き払う」

というくだりを現実的なレベルで実現すること"だけ"に先鋭化し特化しすぎてるのではないかと感じる(作者さん、ただエルフの国を戦争で下すだけでなく、「焼き払う」ことにまで合理的な理屈をつけちゃっている:^^;)ところもあるのですが、全体を俯瞰した場合、「なろうのプロイセン」、というか

「なろう版『普仏戦争』」

ということになるんだと思います。発射速度に優れる後装クルップ砲vs前装砲という構図からも、たぶん間違いないと思う。

(「ナポレオン戦争のとき、フランス首都まで侵攻し攻囲戦を行った」とかの記述があり、時系列とかいろいろ混じってはいる。実際のナポレオンはワーテルローで終わってて、首都を囲まれたのはナポレオン3世。その他パロディにされてる戦役も多い)

異能とか異生物とか異世界要素とかのおファンタジーなネタと、かなり強力な軍事的整合性の食い合わせは、「皇国の守護者」「A君(17)の戦争」等に近いのかもしれない。

戦争描写そのものもかなりがっちりしていて本格的なアレなのですが、このお話、異様に兵站に対するこだわりが強いです。

「オークはたくさん食うから」

と説明され、オークの国は、お隣から攻め込まれたナポレオン戦争(とは言ってない。名前が違う:^^;)の反省として

・軍事の天才に対抗する参謀機構
・大食いの軍を支える兵站機構

を、転生者による「現代知識チート」を用いて国家的に強化し続けてきた19世紀後半のドイツという感じで、その描写もたいへん細かい。

恐ろしいことに、列車と馬匹を主とするオークの国の軍事輸送は規格の木箱を使って、複合一貫輸送一歩手前くらいまで来てることになってます。「刻印魔術式物品管理法」というらしい。

なんというか

「ああ、作者さんは佐藤大輔が好きなんだなぁ」

と感じるところが幾つもあるのですが、ほんとにそうかどうかはわかりません(^_^;)

確かに故・佐藤大輔のパロディになってるところはあるんですが、佐藤氏自体がいろいろなところから元ネタを持ってきてる→作者さんが佐藤作品ではなく、元ネタの方を参照してる可能性は十分にある。

屑鉄戦隊とか特攻とか(泣いた)


この世界、

「とある要因でスカンジナビア半島が存在しない欧州(そして磁石は東を指す)」

なんですが、これ、メタ的には

「デンマーク(エルフの国)の独立を担保するためスウェーデンを消した」

という理解でいいんでしょかね? 違うんかな。

スウェーデンが存在しなければ、スウェーデンvs反スウェーデン同盟という構図の大北方戦争が起こりそうにない。

スウェーデンが無い=グスタフ・アドルフが居ないので(あったとすれば)三十年戦争の流れが変わりそうな気もするんですが、ドイツに相当するオークの国はほぼ無宗教→発端である宗教戦争自体が起こらなさそうだし、そもそも異種族相手の話なんで干渉する動機に乏しい。

代わりにこの世界では、その時期ドイツ(オークの国)がデンマーク(エルフの国)に侵攻して撃退された戦争があったことになってます。

ひどい目にあったオークのドイツはこのときに転生者を得て以後外征を控え、ひたすら外部勢力を吸収しながら内需拡大に専念するようになり、撃退に成功したエルフのデンマークはより閉鎖的性格を強め、民族純化・民族浄化にふけりながらの半鎖国を続けた状態で120年が経ち、19世紀後半に相当する物語開始を迎えている。

原理主義に没頭することでエルフ以外を排斥し、ひたすら純化し続けることを選んだエルフのデンマーク(エルフィンド)と、エルフの国を追われた魔種族を自らの協力者として吸収し、魔種族連合的性格を帯びるようになったオークのドイツ(オルクセン)

「我らはしかも、他種族からみれば信じられないほどの量を食らう。食糧を増産し、工業力を高め、国を富ませなければ、明日の糧を賄えない。オーク自身の殆どには馬鹿力はあっても魔術力はない。コボルトの魔術力と商才を借り、ドワーフの技術を学び、巨狼に放牧を手伝ってもらい、大鷲に天候を見てもらわねば。そして我ら自身が総じてその恩恵を噛みしめ、自ら汗をかかねば」

この世界はアメリカも、南北戦争の結果2つに分裂したままらしい→詳しいことはわかってないけど、こちらも当然世界大戦の結果ほかに影響を及ぼしていると思う。


このお話、

「オークは体格が大きい(200~300kg)」

ため騎乗が難しく、オルクセンも三兵戦術を取りたいのに有効な騎兵集団を編成出来ない→白エルフの虐殺から逃れ、命からがら亡命してきたダークエルフで騎兵旅団戦闘団を編成するようにしますーってのが導入です(人種差別で虐殺しまくってる白エルフの国は滅ぼされても仕方ない、という前フリでもある)

「はて? グスタフ・アドルフ居なくても三兵戦術って発明されるのか?」

とかふと思ったのですが、調べたら三兵戦術の発明者ってグスタフ・アドルフではありませんでした。グスタフ・アドルフは三兵戦術を改良して活用したヒトだった。勘違いしてた(^_^;)

まぁオルクセンの軍編成って「三兵戦術(Taktik der drei Waffen)」ではなく転生者の知識を元にした「諸兵科連合(Gefecht der verbundenen Waffen)」となっており、似たような感じではあるけどびみょーに違う。

で、同一の軍に

・大きなオーク
・人間サイズのダークエルフ、ドワーフ
・犬サイズのコボルド
(更に航空機材としての大鷲)

が混在して各種族に向いた軍務をやってますー、ってのが本編で描かれたエルフィンド戦役時のオルクセン軍なんですが、この「体格の違い」問題は、時代が下って内燃機関が導入され、兵の多くが車両に乗るようになると相当深刻になるはず。

後に、人間サイズのダークエルフ族が英国製戦車に乗るようになりました旨の既述は(ちらっと:^^;)あるんですが、多分この戦車にはオークもコボルドも乗れない(^_^;)

「105mm砲(L7)の英戦車」って、センチュリオンの改型なのか、チーフテンに負けたビッカース戦車なのか、全然別の巡航戦車(もと騎兵師団が歩兵戦車を選ぶとは思えない)なのか。ドイツ戦車にボコられなかった英国の戦車は、いったいどんなふうに進化しているのか。

世界大戦に参戦しなかったオルクセン連邦はその時期戦車を運用する環境になかったため、戦車開発のノウハウを得られなかったんでしょう。ティーガーパンター等の「アニマルシリーズ」に相当する戦車も、それに続くレオパルト戦車も生まれなかったらしい。

それとも、オルクセンの国産戦車は多数派であるオークサイズで開発し、エルフ用の人間サイズ戦車だけ別途輸入してたりするんだろうか...?

オーク族が立って装填できる戦闘室を備える戦車はすげぇ背が高くていい的になるし、オーク族を複数収める砲塔を載せるターレットリングは必然的に径が大きくなって車体サイズが大きくなる。

運転手もでかいので、装甲車両の重装甲化が進み傾斜装甲が導入されたあと、運転手をどう車体に収めるかはかなり深刻な問題になる。ソ連戦車みたいな戦車兵の体格制限が行われるかもしらん。

つまりオルクセンではマウスとかE-100みたいな巨大戦車が...と妄想するのは楽しいけど、T-34ショックを経ない戦車開発ツリーは機動力重視の巡航戦車寄りになりそう(というか、負け戦で相手がどんどん攻め込んできてくれる状況以外で、戦場まで出向く機動力すらない超重戦車は使いみちがない)だし、

・ソビエトに相当する国は出来る?
・北部アメリカにクリスティー氏は居る?
・クリスティー氏は高速戦車を開発する?
・クリスティー氏は戦車のパテントをソビエトに売る?

等がひととおりクリアできないとソ連戦車は生まれない。

更に高速戦車が火だるまでボコられるノモンハンでの戦訓と仏イスパノ・スイザ製エンジンが無いとだめとか、T-34に至る道は結構険しい(^_^;)

以前はるカナのシベリア共和国ルートで考察したときは「おそらくT-34は生まれる」という結論だったけど、ドイツとアメリカの様子が大きく我々知る歴史と異なるオルクセンの世界では、兵器類の開発がどうなるか、かなり怪しい。

「遥か凍土のカナン」世界における歴史

空でも、19世紀に空を飛べる軍はオルクセンの大鷲だけでそれに乗れる「航空兵」は小さなコボルド族に限られてたのですが、後に発動機を持つ航空機も作られることになる→オルクセンの航空機を誰に合わせて作るかという問題も発生するハズ。

もともと航空兵であり、特に発動機の馬力が小さい間は小さくて軽いコボルド族に合わせた機材から揃っていくのは間違いないと思いますが、輸送機とか旅客機とか出てくると多数派オーク族のことを無視できなくなる。座席を大中小とならべておく、とかの方法で解決できるかどうか。

そもそも世界中見回しても、いまやオルクセン以外は皆人間の国→輸入できる飛行機等はすべて人間サイズで作られてるハズで、航空機材を輸入してる期間、エルフと移住してきた人間以外誰も航空機材に乗れなかったのか?とか妄想する。

航空機以外の飛行手段(大鷲)を既に持ち、国内人口の多くが大きくて重いオーク族で構成され、戦争にも参加しないオルクセンは、残念ながら黎明期から逃げ切っての航空先進国になれなさそう→輸入機材に頼らざるをえない期間がそれなりにあるような気がする。

まぁ自分らに合わせて自分らで作るしか無いとなれば、フーゴー・ユンカースとかグスタフ・オットーとかウィリー・メッサーシュミットみたいな牡が出てくるようになるんだろうけど(^^;;


鎖国政策や独自の思想的問題により、人間世界で進みつつある産業や農業の革命に今ひとつ乗り遅れている感じのエルフィンド(なんと、エルフは♀しか居ない。単性生殖というか、本当に「木の股から生まれる」ことになっている=すげぇ木が大事:^^;)は、その武装の大半を英国からの輸入で賄っています。

レバーアクション式の単発騎銃が一丁。銃は弾を撃ち終えた状態だったが、排莢はされていなかった。女の盛り上がった胸元には革製の弾帯があったが、そちらにも残弾はなかった。

つまり、(死にかけダークエルフが持ってた)エルフィンドの小銃は

・レバーアクション
・単発
・金属薬莢

まったくどーでもいいことですが、10年ニート読者のワタシは

「エルフ=貧乳」

と非常に強く印象付けられており、「ダークエルフにおっぱいがある」ことに愕然としたのはナイショ(ぉ

後にも

「エルフィンド兵は英国製レバーアクション銃を使っているため伏射が難しい」

旨の記述があり、「メイフィールド・マルティニ小銃」と呼ばれてますんで、これは多分英マルティニ・ヘンリー銃の改良型、エンフィールド・マルティニ銃なんだと思います。

つまりエルフの皆さんが撃ってるのは.577/450マルティニ・ヘンリー弾。11.43×60Rと呼ばれるセンターファイア金属薬莢黒色火薬弾を撃ってるらしい。30gもある弾頭を初速400m/sとかで飛ばす、結構とんでもないエネルギーのタマ。

「1発の威力ではオルクセンGew74にやや優る」

とか言ってますが、まぁ確かにこれは大した威力の小銃だ(^^;;

「先込め式の銃をぶった切り、後装銃に改造した」

旨の記述もあり、たぶんこっちは丁番式の閉鎖機を備える英スナイドル銃なんだと思う。


オルクセン軍が誇る新型小銃Gew74は

・ボルトアクション単発
・発射薬は褐色火薬
・雨天でも撃っておりおそらく雷管式
・11mm尖頭弾

つまり我々の知るモーゼルM1871の親戚というか「似たようなもの」だと思われるわけですが、使用弾頭についての記述は結構細かい(こういう工夫をしているので射程がこれくらい伸びる、みたいな)のに、薬莢に関する記述がまるでありません(^_^;)

各種状況証拠から紙製薬莢のニードルガン(ドライゼ銃)ではなさそう→実際のGew71と同様の11x60mmR弾じゃねーかなーと"思われる"のですが、本当に金属薬莢なのか、リムファイアなのかセンターファイアなのか、描写がなくてさっぱりわからない。

ちなみにモーゼル用の11x60mmRは「リムド薬莢のセンターファイヤー黒色火薬弾」。ただ既述のとおりオルクセン軍では尖頭弾を使っているとしつこく描写されている→我々の知るモーゼル弾とくらべ、弾頭を装着した実包の形状は結構違うはずです。尖って長い弾頭が付いてることになってるので、弾薬の長さがかなり長くなる。

尖って長い弾薬を容易に装填するため、実際のGew71と比べ少しボルトのストロークを伸ばして排莢口を大きくしているかもしれない。

弾倉こそ無いけど、転生者が適切な助言を行えば薬莢を引き出すエキストラクターと薬莢をはじき出すエジェクターの装備で「ボルト操作で薬莢をはじき出す」ことは出来るはず。これは単なる発想の問題であり、技術的な敷居は特に無い→これだけで再装填をかなり迅速に行えると思う。

オルクセンGew74小銃はオルクセン国産なんですが、考えてみると人間サイズであるエルフ族のエルフィンドは人間の作った銃器を輸入して使うことが出来るけど、体格が異なるオーク族のオルクセンは輸入銃器の使用が難しそうです。ボルトハンドルとかトリガーとかトリガーガードとか、操作部が人間サイズのままだと色々支障が出ちゃいそう。

この小銃、

「高度1000mを飛行していた大鷲を対空射撃で撃墜したと判定」

というエピソードがありまして、いくら長銃身小銃とはいえ、山なりに撃って2000mとかしか届かない黒色火薬の鉄砲でそんな高度まで弾丸上げられるんかなぁと思い、ちょっと計算してみました。

60度の仰角で初速350m/sで打ちあげ、垂直分速が殺傷力の残る200m/sになるまで数秒→射高1000mは確かに超えますな(^_^;) 当たるかどうかはともかく、重弾頭でエネルギーが大きいので、確かに防弾装甲無くこれが当たればただでは済まない感じ。

ドリフターズのガトリング砲の砲口エネルギーを計算してたときも思いましたが、黒色火薬銃、特に金属薬莢を使って施条銃身から重弾頭打つやつはまったく侮れないです。一発あたりの必殺度が、現代の豆鉄砲小銃より格段にやばい(^_^;)

ドリフターズの武装

いや...この世界だと「豆鉄砲小銃」とは限らないのか。仮想敵が人間のオルクセンでは

「塹壕戦の歩兵に必要なのは、射程の長さではなく弾の数」

という結論になり、ヒューゴ・シュマイザーが張り切って機関短銃を作ってくれると思うけど、オークと戦う可能性を考えねばならない他国がすぐ「薬莢を短くして(=ストッピングパワーを諦めて)連射に振る」判断に追従するかは、かなり怪しい。

ナミビアの狩猟法とか見ると

Firearms

Medium Game:
(e.g. Hartebeest; Oryx; Wildebeest; Kudu; Eland and all exotic species)
Minimum caliber: .270 (or equivalent caliber in mm)
Energy: 2700 Joule

「体重400kgとかの目標を撃つときは最低でも口径.270(6.86mm)、エネルギー2700ジュール以上の銃器を使え」とかになっており、2000ジュールに満たないStG447.92x33mmクルツ弾ではいささか心もとないことになる。

小銃用の7.92x57mmモーゼル弾なら4000ジュールとかあるので大丈夫。ふつーの人が撃てる最大の銃弾は.375 H&H Magnumの5500ジュールくらいと言われとります。

.577 T-Rex12.7x99mmみたいな10,000ジュール超はさすがにオーバーキル...だけど、体格に優れるオークは強固なボディアーマーも装備可能になるはずで、オルクセン国内で犯罪組織が武装防弾化し始めたとき、法執行機関がどうやってこれに対抗するか、結構悩むんじゃなかろうか? 豆鉄砲ではもうどうにもならん。

出生率が低い魔族の国では犯罪者でも簡単に殺せない→すばやく無力化するための非致死性兵器が発達したりするのかなぁ...?


最終話で、オルクセン海軍の切り札として生まれ

「排水量七万トン、三つのプロペラスクリュー、平甲板」

と描写される空母グスタフ。排水量的にはフォレスタル級空母に近いのですが、欧州艦らしい3軸推進艦。英国のCVA-01空母を拡大したというか、H級戦艦の発展形みたいな感じの空母なんでしょかね?

空母グスタフを建造したオルクセン連邦は核保有国ですが、武装中立という国是上遠征しての作戦を考慮しないはずで、グスタフはディーゼルエンジン艦の可能性がないではない? ディーゼルさんのドイツだし(ぉ

でもまぁその場合、(非常にドイツらしくはあるけど:^^;)今度はカタパルトをどうすんのよという問題が出てきちゃうので、やはり固定翼機を運用するディーゼル空母は現実的でないかもしれない。

アキュムレーターを使って油圧式にするとか、グラーフ・ツェッペリン級空母の空気圧式を発展させるとか、カタパルト専用のボイラーを用意するとか、いくつかやり方がないわけじゃないんだけど、お手本にしたであろう英国空母が蒸気タービン艦だろうから、オルクセン空母もそれに習うと考えるほうが自然。ちょっと残念(-_-;)


異世界の話なんで国名等の固有名刺がことごとく書き換えられており読むとき脳内変換にひと手間かかるのですが、

アームストロング砲 → ルイ・サッチモ

だけは一瞬でわかって笑った(^_^;) このギャグ、たぶんワッハマンで覚えたと思う。

「シュヴェーリン計画(プラン)」も笑いました。正直ワタシ的に、神経質そうなシュリーフェンと豪快なシュヴェーリンでは全然イメージが重なってなくて、最後にこのギャグを叩きつけられて一人悶絶した。やられた!(^_^;)

オルクセンの秘密兵器対艦焼夷弾がテルミットというかエレクトロン焼夷弾なのはなんでかなーと思ってたんですが、"対馬の鞄"=下瀬火薬ことピクリン酸の爆発物利用が始まるのが19世紀末で、本編時に間に合ってないからなんですね。考えてみれば当然だけど、当時は発射薬だけでなく炸薬も黒色火薬なんだ。

時期的に、石炭酸(フェノール)はドイツで既に工業化されている→これをニトロ化してピクリン酸(トリニトロフェノール)を作ることは不可能ではないと思うし、ニトロセルロースを溶媒で混ぜて作る無煙火薬よりも難易度は低いと思うんだけど、少なくともオルクセンではエルフィンド戦役に間に合わなかったらしい。

化学屋の目で見ると、(誰かが発酵でゴムを作ろうとして失敗したとかで:^^;)アセトンを大量に生産できる体制とかになってればいろいろなことが大きく変わると思うんだけど、さすがにこれはちょっと時代を先取りし過ぎか(^_^;)


観戦武官として登場する

「極東の国(アキツシマ)のアキヤマ大尉」

ってのは、やっぱあのヒトなのかな? メッケル少佐には本気でびっくり(^_^;) 中身が現代日本人である転生者が、あのヒトっぽいヒトに優しくしてしまうのはまぁしょーがない。ワタシでもそうする(^^;;