紅殻のパンドラ 14巻

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毎度毎度「おぉ?!」と唸らされるような(マニアック)ネタを突っ込んでくる紅パンですが、今回も大ネタです。

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荒巻理凰。"あの"荒巻大輔(未だ髪の毛には不自由していない:^^;)の孫らしい。

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そして、「非人型」の義体。制御パラメーターが理不尽に多い人間型義体は普通の人には扱えない→義体-脳間でやり取りする信号の制限を目的としたイルカ型義体が登場。

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「非人型の義体」は今までにもありましたがそれらは大抵機能を満たすためのもので、医療用というか練習機的な性格の「簡易型義体」ってのは初登場なんじゃなかろうか?

「適合者でなければ全身義体を満足に扱えない」
「適合者は希少かつ特殊な才能である」

ことは描かれていましたが、

「非"適合者"が全身義体化するとやがて死ぬ」

と描かれたのはびっくり。

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この時代の脳が生きていくには「体から送られる信号」が不可欠であり、無理やり全身義体に押し込んで生かそうと思っても、信号の伝達不良から脳に異常が生じて死んじゃう、と。

全身義体が超希少で電脳化率もまだまだ低い時代だと知ってはいましたが、せいぜい(サイバスロンのイズコさんみたく)「精緻な動きができない」レベルだと考えてて、生命維持に支障をきたすとまでは想像してなかった。

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(イズコさんは「義体化率が高め」レベルであり「全身義体」ではないのでこの非"適合者"問題の対象ではない)

ネックは「複雑な制御を必要とする」制御の問題ではなく、「必要な信号を受け取ることが出来ない」受信の問題らしい。「コントロール」ではなく「プロトコル」。この話はクレイドルのときとかにも出てました。「信号はあるがわからない」という描写。

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普通の人間は、たとえ電脳経由で直結しても「データの流れ」を直接認識することが出来ない。データの信号手順(プロトコル)が人間用じゃないから。

もちろん(これまで繰り返し描かれてきたとおり)現在の七転福音嬢は「本物の異常者」=制御と信号処理における魔法使いであり、そんな些細な問題などものともしません(^_^;)

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慣れや学習ではなく才能で、与えられた環境にあっという間に適合してみせる。それこそが「適合者」=彼女の「才能」の本質であり真骨頂。

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まぁ、ぶっちゃけ何も考えていない「天然」なので無自覚なまま"境界"を超えてしまいそうになっちゃうわけなんですが、今回それを止めるのが(あの)ブエル殿だったのはちょっと意外だった。

七転嬢の特異な「平易化」技能が一般化することが電脳化技術のブレイクスルーになり、電脳や義体が一般化した攻殻につながるというのが紅パンの大筋だと思ってるんだけど、はたして...。

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「スキルの高いやつが義体に入り込むと以後効率化されてシステムの調子が良くなる」描写は攻殻2とかでもありましたね(^_^;)

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どうも、こいつが日本の奇跡の正体であるらしい。

日本は過去に第3次核大戦、第4次非核大戦を経験しており、関東近辺を中心に各地に核攻撃を受けた。それにより、放射能に汚染され、復興は難しいと思われた。しかし、その後、大日本技研(後のポセイドン・インダストリアル)がマイクロマシンによる放射能除去技術を開発。これにより、日本は驚異的な戦後復興を遂げた。

はっきり「マイクロマシンで東京の放射性物質を除去」してるんで、たぶん間違いない。

シンゴジのような元素変換=物理的無害化ではなく、フィルタリングというか「集めて捨てる」系化学処理の模様で、結構リアル寄り。

しかしソロモン級「1番艦」なのにネームシップじゃないのね(^^;;

そして現在連載のほうではフォボスがエライことに。この辺は次巻に収録されると思われますが、ポセイドンのあいつとか役者も揃ってきて、「決戦が近い」感高まってきております!(>_<;)

紅殻のパンドラ [Comic Walker]