
ジャンプの『ToLOVEる』ではここしばらく、女性陣視点の話がひんぱんに描かれております。
これは別に演出的にヘタ打って「リトが空気」なんじゃなくて、ある時期以降「リトが客体化されやすい構造」に作品そのものが折り返してるから必然なんですね。
本作は当初、リト視点での春菜への憧れとララからのアプローチの受けを主軸にしていました。
【リト】→春菜
↑
ララ
それが、いまではだんだん
リト←【春菜】
↑
【ララ】
の心情がよくクローズアップされるようになってきて、リトくんは"向こう側"の存在になりつつある。引き戻しもあるので完全に客体化しきってはいませんが。
具体的には、ララ父襲来エピソードの後でララがリトに逆告白した時点から、ララと春菜の視点への「折り返し」が決定的に生じたとみなせます(その前ふりとなる兆候はそれ以前からちょくちょくありましたけどね)。
で、注目したいのがこの「折り返し」という現象。ラブコメやロマンス劇でよく見かけますよね。
男の子が憧れの女の子を追い求める構図で始まったのが、いつの間にか折り返してヒロイン主体で男の子を客体にして追う心情に回り込む。振り回すのと振り回されるのが視点の上で逆転するわけです。
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エアマス、ハチワンの柴田ヨクサル先生の『谷仮面』は後半の折り返しがとても美しい名作です。島さん可愛いいい
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『YAWARA!』も後半はけっこう折り返した感があったなー。加賀邦子が松田さんにまとわりつき始めたあたりから。
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『ラブひな』は後半で、物理的にもヒロインが主人公を追いかけてましたね(笑)
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『史上最強の弟子ケンイチ』も最近は美羽のほうがヤキモチ焼いて振り回される度合いが濃くなってきてる(あれはまだ恋愛感情一歩手前だけど)。
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コメディではないけど『からくりサーカス』の鳴海としろがねは折り返してからがえらい長かったな…(^^;;
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最近ジャンプで終わった『ダブルアーツ』。最終回でそれまでの女の子視点から男の子視点への変換で強烈な(笑)折り返しが描かれました。このケースでは後惚れではなく、「じつはこちらも最初から・・・」という、伏せられていたフタを開ける形ですね。
基本的には、折り返しというのは文字通り作品が後半か終盤に入ってきた兆候なので、いよいよ『ToLOVEる』もまとめにかかってきたのかなーとちょっとさびしくもなったり。
まあ、もう一度折り返したり、双方向の混在型にしたりして引き伸ばすのもまたパターンですから一概には言えませんが。
この折り返しラブコメは、他にもたくさんあるし、少女マンガとかなら男女逆でそういうパターンがあることでしょうな。俺は詳しくないので今ぱっと思いつかないや。

あ、追いかけるとかじゃないけど、津田雅美の『eensy-weensyモンスター』は一方の視点で始まったのが最後はもう一方の視点でしめくくられるという意味では折り返しといえるかも。振り回し役の逆転でオチてるし。
余談。
かわいそうなのが「サブヒロインが折り返す」パターンね。
主人公が憧れていたサブヒロインにアプローチ
↓
ふられて玉砕
↓
メインヒロインとくっつく過程で主人公の男ぶりが上がる
↓
サブヒロインが主人公の魅力に気づく(折り返し)
↓
気づいた時にはもう遅い(でも追いかけてしまう)
↓
逆玉砕でメインカップルの底上げに貢献
/(^o^)\
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リツコ先生は当初は本命かと思われましたが、最終的にはゆきめによる序列転換で見事なまでの逆玉砕サブヒロインと化しました。合掌。
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『電影少女』のもえみちゃんとかもなー。嗚呼。
男だけど『YAWARA!』の風祭さんもそうか。最初は柔ちゃんが彼にのぼせてたのが松田さんラインに切られちゃって、そこからあきらめ悪くしがみついてきてましたからね。
あと、いまマガジンでやってる『君のいる町』あたりもこの流れになりそうな気配が…。
視点を折り返すためには、ヒロインが、第一話では、主人公の憧れで、主に顔と乳しか見られていない存在から、しっかりとした内面描写を経て一個の人格として立場を成長させる必要があるわけで、
それを考えると、やっぱりある程度人気を獲得して打ち切りのハードルを越えた作品にのみ許された展開なのかもしれませんね。
って、ええ!?ケンイチ!?
なるほど、確かに最初の美羽は、ケンイチにたいして「一生のお友達!」とか言ってましたねwケンイチにあこがれるクラスメイトも出ていたし。なるほど、乳ばかり見ているとそういうところを見落とすわけですね。
>一個の人格として立場を成長させる必要があるわけで
ダブルアーツはそこで冒険していて、最初から女の子の中に入って、最後に男の子のほうへ回り込むという構成だったんですよね。
でも成功しなかったのは、やっぱり少年漫画としての入り口の順番ってもんがあるんだろうなと。
返信早っ!!!
良い子は寝ている時間ですよ!
今月が山場の仕事が進行中で、徹夜日が多い→ネットに逃げる時間も多いのでレスポンスも早くなりやすいのれす。
Posted by: みやも(管理人): 2008年10月07日 04:00 サブヒロインが折返しと聞いて真っ先に出たのが
地獄先生ぬ〜べ〜でした。メインヒロインがゆきめである事に
結婚まで行って初めて気が付きました。遅いよ!(色んな意味で)
>名無しさん : 2008年10月07日 18:50
そういえばリツコ先生は見事な逆玉砕の例だったので本文に追加させていただきました。
あれはゆきめが後から出てきたにも関わらずヒロインとして強すぎたのと、リツコ先生が「ぬーべーの初恋の人の面影をもっている(=あくまでも憧れ)」という設定が追加されて軸をズラされたんですよね。
>サブヒロインが折り返す」パターン
そういえばそのパターンで個人的に良かった漫画があるんですがう〜ん思い出せない。
考えてるうちに一つ出てきたのがマイナーですがREXコミックの「じゅっTEN」ですかね。
2巻で終わっとりますが作者は今やってるアニメの「とらドラ」の漫画版作者さん。
これもこのパターンに入るかと思います。
でも参考のぬ〜べ〜が強すぎますねw
あれほど見事に逆転したのも近年ないと思いますし。
でもこのパターンは「メインヒロインは確かにいいけどなぜかいつもサブヒロインの方を気に入ってしまう」趣向の人にとってはたまらないでしょうね。
まぁ、思い入れのある作品に限ってそれは叶わず、それ以外のぱっと見たものがそうなるって方が多いでしょうけど。
みやもさんはどちらですか?
Posted by: 名無しさん: 2008年10月07日 23:23>みやもさんはどちらですか?
「ラブひな」ではモトコ派で涙を呑みました・・・と言えばお分かりいただけるでしょうか(^^;;
まあメインとサブの逆転というのは便宜上の見方であって、けっきょく「勝ったんならそのキャラが最初からメインだったのだし、負けたのならそれがサブだったのだ」という遡及的な運命論でみる方が作品全体を一貫して考えるときにすっきりするだろうとも思っていますけどね。
モトコとけーたろが成瀬川をさしおいて本当にくっついたりしたら、いくら嬉しくても物語としては納得できなかったでしょうし。
つまり逆転を起こすんならそれを必然だと見せられるかどうかという作家さんの手腕が問われるかなと。
Posted by: みやも(管理人): 2008年10月07日 23:45この記事読んだあと、本棚の前で漫画のタイトルを順番に見ながら「なるほどなるほど」と頷いてしまいました。
折り返しの有無で漫画の恋愛要素を分類できそうですね。
少女漫画だと、『桜蘭高校ホスト部』が今ちょうど折り返したところですかね。これも折り返したのはヒロインのハルヒの方ですけど。
『のだめカンタービレ』は、気づいたら折り返してたなあ……。
記事の内容とはズレますけど、少女漫画って折り返して恋が実ってからが本番、な作品が多い気がします。
逆に少年漫画は恋が実って終了、な傾向があるような。
男の「キャラ萌え」と女の「シチュ萌え」の差かしらん。
>男の「キャラ萌え」と女の「シチュ萌え」の差かしらん。
目的の違いじゃないでしょうか。
少年漫画は基本的に「乗り越えて獲得する」のを目指すので、本命ヒロインはバトル物のラスボスに相当して、くっついたら終了。
一方、少女マンガの場合は誤解やすれ違いを超えて「内面を理解しあったら終了」で、付き合うこと自体はスタートにしてもいいしゴールにしてもいい。
Posted by: みやも(管理人): 2008年10月08日 04:33チャンピオン読者的には「ななか6/17」とかサブヒロインが折り返してた思い出が。
こういう場合、元から作者の予定通りなのかキャラが勝手に動いたのかどっちなんでしょうね?
>ななか6/17
雨宮さんは折り返し以上に、メインヒロインに対する立場そのもの(作品の構造そのもの)を動かして逆転勝利した例として特筆できますね。
こちらのサイトにすごく熱い考察があります↓
http://www.websphinx.net/manken/labo/clmn/j_amemiya1.html
>元から作者の予定通りなのかキャラが勝手に動いたのか
半々かなーと思います。
読みきり版には無かった幼馴染設定が連載版で追加されてたので折り返し自体は予定通りでしょうけど、本命ヒロインになりかわるのは果たしてどこまで計算だったか…ドラマが積み上がっていった自然な結果だったんじゃないかなぁ。
上のサイトを読んで思ったのですが。
「サブヒロインの下克上」って、「超時空要塞マクロス」が結構重要な転機になる作品なのではないかと。
私は一応リアルタイム視聴者ですが、最終回はかなりの驚きをもって迎えられた記憶があります。
>KOS
ああー、リン・ミンメイと早瀬未沙はそうですね。
結果的にみれば「恋に破れて天職に生きる」という三角関係ではじき出されたキャラの王道ですが、アイドルヒロインとお姉さん軍人で後者が勝つってのはたしかに大胆。