「春画の見かた 10のポイント」なる本を衝動買い。
著者は国際日本文化研究センターで春画・艶本のデータベースを担当している専門家らしい。
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中身は豊富な図版で具体的な春画のあれこれを紹介するとともに、サブタイの「10のポイント」が以下の目次で解説される。
・春画の歴史
・春画の呼び名
・浮世絵春画の主人公は庶民なり
・「書入れ」を読めば味わい倍増
・性は笑いなり
・顔と性器のやじろべえ
・春画は老若男女、貴賎を問わず
・積極的な女性たち
・早熟な子供たち
・古典のパロディー
全体の意図としては、一般的なイメージである巨大化した性器描写ばかりが春画の本質ではない、というのをきちんとレクチャーしようというものみたいですね。
おもしろかったのは、春画のかなり多くが、寺子屋で教科書になるような古典名作をもとにしたパロディ物だというところ。
「
ノリとしてはTMAのパロディAVみたいなもんかしら。
あと、例の巨大性器のビジュアルはウタマロとかホクサイといった江戸時代の産物ではなく、歴史をさかのぼると平安時代ですでにそういう描写が定法になっていたんだとか。
著者いわく「そこには絵は実際の見えるがままを描くのではなく、あくまでも心理的リアリティーを描く「絵空事」の世界であるという自覚があった」とのこと。大事なポイントですね。
ただ、この著者さん、本筋から離れたところでマズい認識を漏らしている。
海外のメディアにインタビューされたさい、エロ漫画への影響関係を質問されたらしいんですが、
「エロ漫画はよく知らないからなんとも言えないけど、性器を極端に描くところは共通してても性質は別モンだろ」
みたいに答えてて、それは本書の啓蒙対象である、春画をよく知らずに表面のウタマロ的表現だけで先入観が先走る輩と同じ轍を踏んでませんか、と(^^;;
まあ、この著者さんの言ってるのは古めの劇画系でドギツい"Hentai Comic"を想定しながらの話で、「変態コミックはおそらく性を原罪とみなす西洋近代のポルノグラフィーの流れが入っていて、性を笑いで読み取らせることを主としてきた日本春画とはねらいが違ってるんじゃないか、たぶん」というくらいの推量なんで、読者のほうで補足しながら読めばいいんじゃないかと。
個人的には現状のエロ漫画全般で見渡せば、むしろ本質的なところで「同じところ"も"ある」と思えます。性の罪を背負い込むエロ漫画はたしかにあるし、またべつに、春画的な艶笑いを背骨にするものだってある。
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