週刊少年サンデー連載中の「神のみぞ知るセカイ」。
こないだの陸上の子にしても今回のツン貧乏お嬢様にしても、主人公のアクションには色恋沙汰で口説き落とすというガッついた格好が殆どなくて、まずはとにかく「その子のふるまいの文脈としての動機・状況・問題を推理し、探り当て、ときほぐす」ことが一義になっているスマートさが面白いです。
ようするに、この主人公は決して「ギャルゲーしか能がない」キャラじゃなくて「アタマの良いやつがギャルゲ専門にその知性を使っていたのが、機会を得て他の畑でその専門性を応用することになった」という存在なのがポイントだと思います。
分かりやすい例えでいえばミステリに詳しい小説家とか、電車に詳しい鉄道ファン、音に詳しい音響技士etc..が実際に自分の携わる分野に関わるタイプの殺人事件に出くわして解決していくドラマみたいなもので、"専門職を活かす素人探偵"のバリエーションなんですよね。
探偵役は「謎を解明して劇中世界にバランスを取り戻す」ことが一義で、その職業が何なのかは企画段階での可変パラメータです。たとえばギャルゲーマーではなく「世界や人間を数学で完全に解析できると信じる変人数学マニア」と互換してもいいわけで、そこらへんは、どんなパラメータを取ればその時代ごとジャンルごとにうまくお客さんへアピールできるだろうかというマーケティングで選ばれるところで、ある種の冒険がつきまとうところですね。
で、そうした探偵が毎回の"ご当番ヒロイン"に惚れられるのは事件解決のごほうびなわけで、ごほうびだからいったん受け渡しが済んだら償却されてしまう。でも人間同士のかかわりあいなので、心に何か残るものもあるらしい・・・というのが現状の「神のみぞ知るセカイ」のありようではないでしょうか。
だから恋愛面を中心に「二次元どっぷりのギャルゲオタV.S.三次元の女の子」とか「非モテからモテへ」という対立軸から読むとかえって本筋からズレちゃうんじゃないかな。そこはあくまでテクスチャ(設定のうわっぱり)なので。
その意味で、安西信行先生の新作があんな風に露骨に主題にモテるモテないを組み込んできても、食われる心配はないと思います(笑)
追記:
ここでは主人公の理知を軸に素人探偵物の様式に重ねてみましたが、「問題児の抱える事情を探り当てて"積極的に策を講じて"ときほぐす」という点では教師物──というか、まあ生徒同士の話なので「学級ドラマ」の脈が強いというのもひとつの見方ですね。
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なるほど。昔、シティーハンターで、主人公が冴羽遼が事件を依頼してくる美女に、事件解決と同時に惚れられる。
ていうのを、コカンノマグナム、もとい頭脳で成し遂げていく話なのかな?
とりあえず、その探偵には安西信行が、今のサンデーは自分の居場所ではないって、メル・オメガも人に書かせておきながら、いけしゃあしゃあと帰ってきた理由を解き明かして欲しいものです。
漫画家さんにも生活ありますから、なりふり構ってらんない事もあるんでしょう。
Posted by: みやも(管理人): 2008年05月08日 22:16作者さんの設定好きがよく生きている漫画だと思います。
露骨な萌えは狙わず、燃える展開等を描けば化けると個人的に愚考。
>燃える展開等を描けば
煮えきらずに終わっちゃったアルバトロスのリベンジを何らかの形で果たしていただきたいですね。