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    2008年03月20日

    ヒロインの可愛さの指標;みんなが可愛いと言うんだから本当に可愛いのだ

    [ note ]

     ちょいと興味を惹かれる記事をみつけたので僕ものっからせてもらいます。

    【 物語の在り方 】 周囲からの人気で容姿レベルを規定する(記事元:まぼろしのつくりもの)

     この問題は以前うちで書いたこのエントリの延長にもなりますね。

    どんな属性も受け手次第
    ↑ちよちゃんのくだりを参照。

     まず、物語が一人称単数だったり、基本的に主人公or語り部ひとりの目に寄りかかった作品の場合「この子は可愛い!」という評価が実質的なものなのか、それとも「アバタもえくぼ」「蓼食う虫も好き好き」的なものなのかというのが確かめられない曖昧さが生じます。
     だから主人公だけがヒロインを持ち上げていて、周囲のキャラはそのヒロインに対してはとりたてて思うところがなさそう(=ヒロインが客観的には普通の少女である)という引き算のギャップが生じるタイプの作品があるわけです。

     まぁそれはそれで「自分だけが気づける美しさ」というものが物語られるので良いんですが、それとはまた別に「絶対確実な美しさ」がもつ力強さってやつを味わいたい欲求というのもあるわけで、ではそれをどう描けばいいのかというと「周囲のみんなの評価」が大事になってくるんですね。

     みなさんは、お気に入りのキャラだとかアイドルだとかが人気投票や掲示板のキャラ萌えスレ、ニコニコ動画のコメントなどで他のユーザーにも可愛い可愛いと評価されているのをみて深い充足を覚えたご経験はないでしょうか? 僕はあります(笑)
     そこには個人の好みの問題を越えて、みんながこんなにも可愛いというからにはそのキャラクターは本当に可愛いものとして存在しているのだと確信をもって見ることができる感動があるんじゃないでしょうか。 

     それと同じことで、僕らにとって劇中のヒロインに対する「ヒロインの周囲の人々」の反応というのは実質的な魅力を示す一番分かりやすい、かつ信頼度の高いパラメータなんですね。一面的なチェックよりもクロスチェックで保証されたほうが説得力が出てくるのは必然。

     ちょっと飛躍した例え話になりますが、チャンピオン紳士が範馬勇次郎に感じる爽快感というのを考えてみてください。オーガパパを最強キャラたらしめる印象づけのキモはといえば、なんといっても周囲のキャラの戦々恐々と畏怖する姿に支えられたエピソードつくりが大きく作用しているといえます。個人どころか国家単位で「地上最強の生物!」「オーガ恐るべし!」と畏れられ讃えられ、また実際にそのパワーによって「誰もが認める/誰にでも認めさせる」問答無用さ、"圧倒"の感。そこにはやっぱり、「みんなに評価される外的な力強さ」の快感が働いているわけです。
     そうして美少女ヒロインの場合それが腕力ではなく容姿によって計られるというふうに捉えてみると分かりやすいでしょう。ドラゴンボールで登場キャラの戦闘力の高さにワクワクできるなら、愛される(問答無用で愛させる)力の高さをもったヒロインにもワクワクできるって次第です。「(ピピピ)ラブレター……たったの5通か。ゴミめ」


     たとえば、クラスや学校で一番人気の女の子。
     たとえば、町で一番の美人と評判のお嬢さん。
     たとえば、国で、はたまた世界で一番美しいと名高いお姫様。

     漫画・小説・アニメ・ゲームそのほか媒体を問わず、そんなふうに臆面も無く劇中のみんなから何度となく「可愛い、可愛い」と言われまくり愛されまくる設定のヒロインたちは、勇次郎になぞらえていえばそれぞれの作品世界内における「地上最美の生物」です。

     彼女達は、そうした「揺るぎない美」を発揮することによって人間の真・善・美をあらわしてくれるメルヒェン的な象徴としての役割を果たしています。「美しいひとがいる」という物語をとことん極めていくと、やがて「ひとは美しい」という人間賛歌に通じる(ことができる)というのが僕の見解です。だから、少なくともフィクション世界では、容姿がものすごーく美しいキャラがそのまま同じ度合いのものすごーく美しい心を備えていても全然かまわないと思います。そこらへんは昔話(おとぎ話;メルヒェン)のヒロインたちに参照できるところが多いような気がしますね。やつらさらっと超美少女設定なのがわんさかいますから!!(笑)

     クリエーター諸氏やユーザー諸氏におかれましては、こういう「絶対美」についてのおとぎ話──人間を上昇させるファンタジーの力強さを描くことや消費することを、決して恐れたり恥ずかしがったりせず突き抜けてほしいといつも願っています。


     追記。
     そういうわけなので、いったん絶対美の座におかれたヒロインの格調を維持して最後までいくか、どこかで下げてしまうか(=そのヒロインは実は可愛いばかりではなく汚れや弱さもあるのだ、とあえて聖性を損なって近代文芸的な人間像に着地させるか)というのは、いわゆる作家性をみるうえで重要なポイントになるところですね。


    (↓)劇中でよく可愛い可愛い言われるヒロインが出てくる作品。
    「女神さま」みたいに神格をもつ設定のキャラは容姿的にも美しい割合が高いですね。

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     あとはまぁ、少女漫画はこの手の宝庫でしょうから、詳しい人にお任せします(笑)

    コメント

    >「美しいひとがいる」という物語をとことん極めていくと、やがて「ひとは美しい」という人間賛歌に通じる(ことができる)というのが僕の見解です。

    ちなみにウチは、「限りなく無限大に近い可愛さの女の子が存在するとしたら、その子の一億分程度の可愛さの女の子でもそこそこ可愛いと言える」というロジックで思考することがよくありますね(笑)。

    Posted by: いずみの: 2008年03月20日 01:38

    >その子の一億分程度の可愛さの女の子でもそこそこ可愛いと
    YAWARAでいうとキョンキョンかなぁ。
    登場時はぱっとしなかったのが後半でけっこう可愛くみえるコマがあって、「ああ、柔ちゃんに関わったおかげで可愛さがちょっぴり伝染ったんだな」と妄想しました。

    Posted by: みやも(管理人): 2008年03月20日 01:46

    なるほど。確かに、アニメ、漫画、ラノベなど多くの二次元媒体では、登場人物全体に美人度の補正がかかるというか、不美人がいなくなるため、全体が底上げされて、見た感じ、みんな可愛らしく見えちゃいますよね。
    スケッチブック。ひだまりスケッチなど、見た感じかなり可愛いらしいヒロインも別にクラスの男子にモテモテというわけでもなく、話の中では普通の女子扱い。で、可愛いといわれるキャラは別にいて、それを何で見極めるかと言うと、男子の視線や告白されるかどうか。
    キャラの姿が表紙や挿絵でたまにしか見られないラノベだと、そういうのも必要な技法なのかもしれませんね。

    Posted by: 名無しさん: 2008年03月21日 19:19

    >全体が底上げされて、見た感じ、みんな可愛らしく
    そうそう、サブキャラの一人ひとりまで可愛いっぽい作品も多いですからね。
    だからいっそ容赦なく美醜の格差を描いてしまうか、さもなくば周囲からの評価で浮き彫りにするという手になるんじゃないかなと。ある意味必然的に。

    Posted by: みやも(管理人): 2008年03月21日 20:00
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