まず、ぱっと見で分かるサンプルを。
つまり、漫画って、キャラが思考しているプロセスをあらわす表現に複数の種類があって面白いよねー、という話です。
【レイヤー1】
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アブク(って言うんでしたっけ?)の中で考える。
リアルタイムでそのキャラクターにべったり寄り添った、コマの中の現象としての思考。
サンプル:
高野文子「うしろあたま」
柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」
囲みの無いモノローグ。
紙面(=劇中の空間)に解放されて響く思考。読者はキャラの主観との間にしきりがないので感情が融和する。文字通り叙情文なので、詩的な独白に流れこむことも多い。
サンプル:
高野文子「はい−背すじをのばしてワタシノバンデス」
ワクで囲まれているモノローグ。
コマの中に描かれている事象からひとつ層が高い(キャラから離れている)ので客観度が上がる。そのぶん熱量は下がる?
層が高いので劇中の時空間に縛られず、絶対的なナレーションや回想とも結びつく。
で、さらにひとつのコマに複数種類の思考レイヤーを設けるという多層化もけっこうあって、これはアニメ化や実写映画化するさいに再現しづらい表現のひとつだと思う。音声にエフェクトかけるにしても、何種類もやってたらやかましくなるからね。
小説で、括弧()と地の文によって内心の語りを二層化する手法は、近いかもしれない。
舞台演劇ではどうだろう?
勉強不足なので分からないけど、ナレーションの放送と役者の独白を組み合わせれば思考のレイヤーを設けられそうな……。
※3/17追記
演劇に詳しい方からご指摘いただきました。「舞台演劇コント等ではピンスポ、自分以外のストップモーション、自分以外の音(セリフ含む)をオフにして等の方法でモノローグ状態にし、セリフ、他者ナレーション、自分の声のナレーション等を組み合わせ思考を表現することが多い」そうです。 なるほど。
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以上をふまえて、たとえば「鈴木先生」とか「ハチワンダイバー」を改めて読んでみると、思考のレイヤーを上り下りするリズムの取り方が巧みなシーンがたくさん見られます。逆に言うと、主人公の思考プロセスによって読者を振り回し引きずりこみあるいは突き放す波が激しいので、じっくり読むのにすごい体力を要するつくりなのも分かる(笑)
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