最近の作品なのでDVDも出てるだろうとは思いつつ、それをチェックする気力は沸かん(^^;;
原題は「MIDNIGHT MASS」(真夜中のミサ)。
劇中で神父が行うミサ(mass)と、人類に対して多数(mass)になった吸血鬼達の意をかけたタイトルか。
ストーリー: 悪魔の屋敷から流出したゴーストウィルスに感染した何万もの化け物たちが暴れ回るパニックホラー。アメリカの田舎町に危険レベル最大のバイオハザードが発生! 感染源を調べていた政府の科学調査グループは、常識では考えられない結論に至る。
はっはっは、見事なウソあらすじだ(笑)
屋敷なんて関係ないし、化け物は20〜30人がいいとこだし、ウィルス云々は劇中で否定される風説のことだし、政府の科学調査グループなんぞ影も形も出てこねぇよファッキン!
パッケージ裏には「ホーンテッドマンション」×「アウトブレイク」絶叫エンターテインメント ホラーパニック誕生!と書いてありますが、これは当然のごとく便乗ハッタリ120%。
本当の内容は、超常的危機に立ち向かうことにより、堕落していた神父が更正したり無神論者が改心したりという宗教ホラーでした。
特徴は「ゾンビ」フォーマットに吸血鬼をそのままあてはめるという臆面のないアイディア。
もともと様式的には、人類を感染病的に種族単位で脅かすのがゾンビ系で、吸血鬼系は極少数が社会の陰で暗躍するエリート犯罪者風味というふうにベースが対極にあるんですが、それを掛け合わせて「吸血鬼が世界規模で蔓延してさあ大変」というスジを実際にやってしまったのは意外と例が少ないかも。しいて挙げれば藤子(F)先生の短編「流血鬼」が近いかな(物語のテーマは違いますが)。
面白かったのは↓
・積極的に吸血鬼の手先になる人間を間に挟むことで従来のゾンビ物と差別化を図っている
・増殖して世界を乗っ取った側が自分たちの繁殖スピードと人間(食糧)の減少に悩んで支配戦略に気を遣っている
*1
・人間の神父と吸血鬼の神父が対決する分かりやすい構図
・日中の画面に青のフィルタをかけて寒々とした空気感で統一している
……ううーん、こうして箇条書きにするとけっこう光る具材がそろってるのになあ。実際はお話の運びがめちゃくちゃ間延びして見られたもんじゃないのが、いかにもトホホなZ級映画でした。いやあ、ひどいものを観た。
【印象的な台詞】
「なぜだ! あれほど十字架に身を捧げたのに──
今は ひとめ見ることもできない!」
吸血鬼になって町を牛耳っている悪の神父が十字架のせいで教会に入れないというシチュでの一言。 「なぜ」って……そりゃアンタ吸血鬼だし。