地獄甲子園 (2002年、山口雄大監督)
あの漫☆画太郎センセーの自由奔放すぎる原作を絵面だけでなく脚本レベルまで忠実に再現実写化した怪作です。もとの漫画はいつもの画太郎作品のご多分に漏れずかなり放り投げた結末だったのですが、この映画では途中からオリジナル展開に継ぎ枝しており、それがとてもうまいので感心しました。確信犯的な破綻と崩壊に満ちあふれたあのストーリーに乗っかって、かつそれを踏み外さずに風呂敷を畳みきったのは奇跡に近い業績だと思います。何カ所か、幾つかの理由で「観るに堪えない」シーンがあるにはあるのですが、それを差し引いても面白いです(^^;
そんな本作の監督は山口雄大。北村龍平 *1 の「VERSUS」で共同脚本と第2班監督をつとめたヒト。主役が同じ坂口拓だからというだけでなく、根本的に芸風が"北村組"なんで、先に「VERSUS」を観ておくとより深く楽しめるでしょう。
かつて柳下毅一郎先生は「火山高」 *2 のような漫画的快楽を徹底した作品が「なぜ日本で作られなかったのか」と慨嘆しておられましたが、この「地獄甲子園」で少しは穴埋めになったのではないでしょうか。