クリスティ(カースティ)が第1、2作目のヒロインだという事を踏まえてから観賞しましょう。
ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア (HELLRAISER / HELLSEEKER)
究極の苦痛と快楽をもたらすパズルボックス「ルマルシャンの箱」の魔力によって地獄の扉を開いてしまった人間たちの業を描いた有名シリーズ第6作。
[ 以下の記述にはネタバレが含まれます ]
事故で愛する妻を失った夫が記憶喪失と頭痛とフラッシュバックに悩まされながら、自分の内に潜む暗黒の精神世界へ迷い込んでいくという「サイレント・ヒル」好きのツボをくすぐる展開になっています。
意外なことに奇抜なビジュアルではなくストーリー構成の努力でしっかり魅せていまして、ほとんどミステリー&サスペンスドラマの体裁を借りたような、あまりにも収まりの良い終盤の流れは観ていてちょっと面食らいました。
小刻みにカッティングされた回想シーンと幻覚の配列によって、常に「本当は何が起きたのか(起きているのか)」を観客に想像させていくあたりがとてもこなれた感じで良いですね。
ホラー映画版「メメント」かと思わせといて実は「ジェイコブス・ラダー」でしたというオチは、卑怯だけど上手い。主人公がやたらと頭痛を訴えるのも伏線だったのですな。
個人的には、ちゃんとシリーズ初期の設定を踏まえたところに物語の原因を用意したのが好印象。
実質的に話が片づいてしまった4以降、迷走の兆しを見せた「ヘルレイザー」ではありましたが、今回でちょっとだけ持ち直したかと希望を抱きました。
ただ、小綺麗にまとまったぶん本来期待されるところのグチャドロ気狂いホラー成分を控えてしまったのがやっぱり痛い。ピンヘッド様のお姿が観たくてたまらないマニアはどうしても欲求不満になると思います。
「ヘルレイザーである必然性」にこだわるかどうかで、評価の分かれそうな作品でした。