2004年度ゴールデン・ラズベリー賞「最悪リメイク・続編」部門ノミニー(^^;
2003年、米国 99分
日本公開日 04/03/20
監督 マーカス・ニスペル
製作 マイケル・ベイ
マイケル・フレイス
原案 トビー・フーパー
出演 ジェシカ・ビール
エリック・バルフォー
ジョナサン・タッカー
R・リー・アーメイ
配給 日本ヘラルド映画
公式サイト
[あらすじ]
アホなヒッピー5人組がキチガイ家族に襲われて血みどろに殺されちゃうシドイお話。
もうちょっと具体的なところは『悪魔のいけにえ』('74)参照のこと。
[review]
本タイトルの原題は『THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE』。
そう、言わずと知れたスラッシャーホラーの金字塔『悪魔のいけにえ』のリメイク作品です。
作品の権利関係で『悪魔のいけにえ』リメイクという事実を宣伝に使えなかったため、おおもとの史実であるエド・ゲイン事件を下敷きにしたというタテマエを掲げるなど、事前にいらんところでミソがついたタイトルでしたが、フタを開けてみれば存外に健闘しております。
『バッドボーイズ』『アルマゲドン』『パール・ハーバー』と、金を湯水のごとく浪費するだけの脳タリン映画を撮らせたら右に出るなしと悪名高きマイケル・ベイ製作という点で期待値が低かったせいか、思いがけずまっとうな仕上がりには「よく頑張った!」と褒めてあげたい気分になれました。
たしかにまあ、冷静にツッコめばアラはたくさんあるにはあります。
説明過多な構成は明らかに作品に対して不純物ですし、レザーフェイスの扱いが杜撰であるとかヒロインの判断能力の低さが感情移入を妨げるなど、問題点はいくらでも洗い出すことが可能でしょう。
そもそも原典である『悪魔のいけにえ』は偉大なる変態監督トビー・フーパーの偉大なる変態性のおかげで30年経った今でもなお観る者に新鮮なインパクトを与えるオールタイムベストな映画ですから、それを焼き直すというのは極めて分の悪い勝負に出る蛮勇なわけです。何をどうやっても旧作の信者が比較して文句を付けてくることは確実。いくらマイケル・ベイでもそれは分かっていたでしょう。
しかし、製作首脳陣はそれでもあえて困難な素材に挑戦しました。その芸人根性(というか度胸)は、素直に感心できる価値があるんじゃないかと僕は思うのです。
カメラワークや演出を含めて、映像はとにかく小綺麗にまとまっています。
あまりにまとまりすぎてて舞台設定上必要な暑苦しさに欠けるきらいはありますが、少なくとも激しい心理的圧迫をともなうハイテンションな動的感覚は原典に匹敵する良い出来です。肉厚たっぷりな巨漢なのにやたら機動力の高いレザーフェイスの勇姿をとらえる数々の映像にどっぷり惚れましょう。
これは撮影を『悪魔のいけにえ』と同じダニエル・パールが担当しているのが大きいですね。
また、キャスティングでは何といっても『フルメタル・ジャケット』の鬼教官でおなじみリー・アーメイ様が最高でした。目に付く者全てを口汚く罵る変人保安官を熱演したこの御方がいなければ、本作はもっともっと評価が低かったことでしょう(正直、アーメイ氏が画面の中で強烈に輝き過ぎており、それが本来のウリであるレザーフェイスの印象を薄くした観があるほど)。
作品全体の評価はさておいて、この御方の健在なお姿を拝謁するためだけでも劇場に足を運ぶ充分な理由になります。
追記:
かなりアレンジされた物語のクライマックスでは、ブチギレたヒロインによってアーメイ様がトンデモないことに……。