全13話+6短編(DVD特典)
監督 高橋ナオヒト
シリーズ構成・シナリオ 山口宏
キャラデザイン・総作画監督 千羽由利子
美術監督 小林七郎
制作 オー・エル・エム
DVD等の関連情報
(C)1995 アクアプラス/ケイエスエス
リアルタイムでは途中で何話か見逃してしまってそのままになっていたんですが、このたび機会を頂いてようやく全話通して観賞いたしました。
考えてみれば、18禁PCゲームのベースからコンシューマゲーム、さらに地上波アニメへの進出という、今では珍しくないメディア展開に先鞭をつけたのも東鳩だったんですよねえ。いちおうそれ以前にも18禁〜R15のレイティング範囲で『同級生』や『ドラゴンナイト』シリーズ等がありましたが、さすがにTV放映シリーズにまでは至りませんでしたし。
今更ながら、Leaf(アクアプラス)は本当に色々な意味でエポックメイカーだったのだなぁ、と。
で、そんなアニメ版『To Heart』です。
このシリーズの最たる特徴は、浩之ちゃんと他ヒロインのフラグ成立場面にあかり嬢を介入させ続ける事によって、つねに「彼と彼女」が深みにハマらないよう道を整えている点。エピソードを同じくしながらそれでいてゲーム版のどのルートとも(あかりルートとさえも)違う、淡白な微温状態の日常を構築していくのが当シリーズの基本軸になっています。
恋愛ドラマとして沸点に達しないよう用心深く感情の振れを抑えるこのアプローチには功罪相半ばする面がありまして、『To Heart』が持つファンタジー的な「居心地の良い日常」体験をいっそう強調することに成功した反面、あかり−浩之の関係を中心に据えているのに、原典のキモだった「幼なじみからの脱却」というテーマが(少なくともこのシリーズが描く期間内では)ほとんど放棄されるという結果を招いてしまっています。
1クール13話のなかで、あかりは何度も幼少期からのつながりを想っては「出来ればこのまままでずっと……」という現状維持を願うモノローグを刻んでいるのですが、当シリーズはこのモラトリアムを突き詰めては否定もせず超克もさせず、本当に終始一貫した微妙な距離感を保って幕を下ろしてしまうのです。
この是非は観賞する我々の評価基準によっても分かれるところで、最低限度以上のストーリーテリングを要求する場合は「徹底的にストレスを避け結論を出さないご都合主義だ」と批判の矛を向ける人も当然多かろうと思います。
僕個人としては、「そういう時期を切り取ったのがこのアニメ版シリーズである(後の進展は可能世界として想定されうる)」という気がしますので、この「ヌルさ」もこれはこれで面白いんじゃないかと受け取れました。
[追記]
……というかですね、すたひろ氏の「あかり姉さん」で完膚無きまでにイメージの破壊&再形成をもたらされたんで、もはや全てがネタとして楽しめてしまうんですが(^^;
ちなみに発売中のDVD全7巻にはそれぞれ映像特典が収録されておりまして、本編既観賞者はこれ必見です。それぞれ一編5分程度のショートドラマなんですが、短いぶん内容が詰まってひじょーに楽しいモノになっております。
白眉はDVD第4章の特典「時には一緒に。」というエピソード。セリオさんのファンにとっては『PIECE OF HEART』に比肩するアピール度ではないでしょうか。むしろコメディ好きのワタクシはこっちに軍配を上げたい!(笑)
『雫』『痕』が成功した要因のおそらく1割2割は占めたであろうLaefの"おまけ精神"がこんなところで活きていたとは。
CAST
神岸あかり 川澄綾子
藤田浩之 一条和矢
長岡志保 樋口智恵子
佐藤雅史 保志総一朗
来栖川芹香 岩男潤子
保科智子 久川綾
松原葵 飯塚雅弓
マルチ 堀江由衣
姫川琴音 氷上恭子
宮内レミィ 笠原留美
わたしは、最後の2話で長岡志保というキャラが凄く好きになった思い出がありますね。あかり視点(一人称)故に各ヒロインが薄められた中で、彼女だけは本編よりも魅力的に描かれたのではないでしょうか!
Posted by: 柴: 2003年12月27日 01:00たしかに随所で優遇されてた観がありましたねぇ。アニメ版はあかりと志保のダブルヒロイン(に近い)スタンスだったと思います。
その煽りをくらったかどうか、レミィがイロモノになっ(以下略)
私だけ、メインのエピソードがなかったヨ。ソーバッドね。←うんうん、レミィはかわいそうだった。
ちなみに現在は、君望みのアニメが・・・あゆまゆ劇場が観たくてたまらないところです。なんかめちゃ評判いいらしいですから。